CO2から新素材
2019-05-30 13:30:09
CO2を原料にした世界初の脱石油ポリエチレンが誕生!
環境問題解決への第一歩
近年、地球温暖化やプラスチック問題が重視されています。これに対して、東京大学発のベンチャー企業、株式会社CO2資源化研究所が新たな解決策を見出しました。この会社が開発したのは、二酸化炭素(CO2)を用いて製造した「CO2ポリエチレン」です。これは、石油に依存しない100%脱石油の素材として、環境問題解消の一助となることを目指しています。
特許取得とその意義
株式会社CO2資源化研究所は、特許第6485828号を取得し、ポリエチレンの原料であるエタノールをCO2から製造する技術を確立しました。ポリエチレンは、私たちの生活の中で頻繁に使われる素材であり、例えばスーパーのポリ袋や食品トレーなどがありますが、現在はほとんどが石油由来です。したがって、この新技術は環境負荷を軽減するための大きな意義があります。
UCDI水素菌の活用
このプロジェクトの核となるのが「UCDI水素菌」です。この特殊な微生物は、CO2を栄養源として24時間で1600万個にまで増殖する能力を持っています。これにより、革新的なバイオテクノロジーを駆使して、持続可能な素材の生産を実現します。さらに、この技術は以下の4つの分野に応用されています。
1. 水産養殖用の飼料用動物性たんぱく素材(Biofeeds)
2. 高機能プロテイン
3. バイオジェット燃料
4. 生分解性プラスチックなどの化学品
これらの分野で、食糧問題の解決と脱石油社会の実現に貢献することを目指しています。
企業の背景と展望
株式会社CO2資源化研究所は、2015年に設立され、東京都港区に本社を構えています。代表取締役社長の湯川英明氏を中心に、東京大学や他の大学、企業との連携を図りながら研究開発を進めています。また、同社は2018年12月に、バイオジェット燃料の原料イソブタノールの製造に関する特許を9月に取得しました。この継続した取り組みがもたらす将来的な可能性には期待が寄せられています。
まとめ
CO2を原料にした新たなポリエチレン素材の開発は、環境問題への取り組みを示す良好な事例となります。脱石油社会に向けての技術革新は続き、我々の生活に影響を及ぼす新しい素材が登場する日も近いでしょう。株式会社CO2資源化研究所の今後の展開に注目しながら、持続可能な社会を共に築いていきたいものです。
会社情報
- 会社名
-
株式会社CO2資源化研究所
- 住所
- 東京都港区台場2-3-1トレードピアお台場14階
- 電話番号
-
03-6435-1150