東海地方の集客施設、コロナ禍からの回復進むも課題も
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が発表した「2023年度 東海3県主要集客施設・集客実態調査」の結果から、東海地方の集客施設の現状と今後の展望を探ります。
調査対象は愛知県、岐阜県、三重県の73施設。2023年度(2023年4月~2024年3月)の集客実態について、アンケート調査を実施しました。
集客数上位施設:ナガシマリゾートが18年連続首位
集客数上位5施設は以下の通りです。
1.
ナガシマリゾート(三重県桑名市):約1,300万人(対22年度比8.3%増)
2.
刈谷ハイウェイオアシス(愛知県刈谷市):約766万人(対22年度比4.0%増)
3.
中部国際空港セントレア(愛知県常滑市):約640万人(対22年度比32.9%増)
4.
河川環境楽園(岐阜県各務原市):約419万人(対22年度比1.5%増)
5.
バンテリンドームナゴヤ(旧 ナゴヤドーム)(愛知県名古屋市):約360万人(対22年度比13.6%増)
ナガシマリゾートは18年連続で首位を堅持しました。団体旅行の回復が大きな要因ですが、新型コロナ前の水準にはまだ達していません。
刈谷ハイウェイオアシスは、イベント規模の回復や高速道路利用者の増加により、集客数を伸ばしました。
中部国際空港セントレアは、イベント再開や規模回復が奏功した一方、国際線の回復遅れが課題となっています。
河川環境楽園は、施設イベントの再開が好影響をもたらしたものの、水遊び施設の利用規制や豪雨の影響で集客は伸び悩んでいます。
バンテリンドームナゴヤは、侍ジャパンのWBC優勝による野球人気が高まり、プロ野球試合への観客動員が増加しました。
コロナ禍からの回復傾向、屋外施設は苦戦
対22年度比では、73施設中42施設(57.5%)で集客数が増加しました。これは、新型コロナの5類感染症移行に伴うイベント再開や団体旅行の回復が要因と考えられます。
しかし、屋外型施設では集客数の増加率が低く、台風や猛暑の影響が顕著でした。
新型コロナ前の水準回復にはまだ課題
対19年度比では、71施設中20施設(28.2%)で集客数が回復し、新型コロナ前の水準を上回りました。
しかし、屋外型施設では新型コロナ前の水準を上回った施設の割合が低く、天候の影響が大きいことが分かります。
今後の展望
東海地方の集客施設は、コロナ禍からの回復傾向を示していますが、国際線の回復遅れや天候の影響など、課題も残っています。
今後、イベントの活性化や観光客誘致の取り組みが重要になってきます。
調査結果の詳細については、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社のホームページをご覧ください。
調査レポート