鈴木財務大臣が語る日本の為替相場と経済の展望

令和6年9月17日、鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣が閣議後の記者会見を行い、為替相場の変動が日本経済に与える影響について説明しました。特に、先日の外国為替市場での円相場の動向が企業活動にどう影響するかが焦点となりました。

為替の変動と日本経済

記者からの質問に対し、鈴木大臣は現在の為替の動きが日本経済に与える影響について説明しました。具体的には、円高が企業の輸出物価に影響を与え、その結果、海外売上や海外からの所得が変動する可能性があると指摘しました。一方で、輸入物価への影響が国民生活や事業活動に対してどのように負担をかけるかも見逃せないと述べました。

今年度の下期における企業が想定する為替レートは144.59円ですが、現在の相場はそれを上回る円高水準であると鈴木大臣は認識しています。これが企業の業績や経済全体にどのように影響を与えるかが今後の大きな課題となるでしょう。

企業業績の現状

また、鈴木大臣は昨年度の企業経常利益が前年度比で12.1％の増加を見せており、利益剰余金も過去最高の601兆円に達したことに言及しました。これにより、日本の企業業績や財務体質が全体的に健全であると評価しています。企業がこの肯定的な状況を背景に賃上げや設備投資を思い切って行っていければ、日本経済は緩やかな回復を続けられる期待が持てると語りました。

為替に対するスタンス

為替の変動に対する政府の基本的なスタンスについての質問には、為替は市場のファンダメンタルズを反映した値であり、急激な動きは望ましくなく、安定的な推移が理想であると鈴木大臣は再確認しました。こうした立場を踏まえて、今後の為替動向についても注意深く監視していく意向を示しました。

セブン＆アイ・ホールディングスの分類変更

さらに、記者からセブン＆アイ・ホールディングスの投資審査の分類変更についての質問も出ました。この企業がコア業種に分類されたことで、買収が難しくなるのではないかという懸念に対し、鈴木大臣は、事前届出が必要であり、国の安全の観点からも審査が行われるため、一概に買収が難しくなるとは言えないと説明しました。