新薬承認の提案
2024-08-07 10:14:19

アッヴィ、巨細胞性動脈炎に対する新薬の承認を目指す

アッヴィ(AbbVie)社は2024年7月12日、巨細胞性動脈炎(GCA)に対する新薬ウパダシチニブ(リンヴォック®)の米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)への承認申請を行ったと発表しました。この新薬は、偏頭痛や視力障害を引き起こすリスクのある自己免疫疾患であるGCAの治療に役立つと期待されています。

ウパダシチニブは、15mgを1日1回投与することで、GCAの患者に対して有効性が示されています。特に、最近実施された第III相試験「SELECT-GCA」において、ウパダシチニブと26週間のコルチコステロイド漸減療法を併用することで、治療開始から52週間にわたって寛解状態の維持が確認されました。

GCAは、中型から大型の動脈に炎症を引き起こし、特に頭部の動脈が影響を受けることが多く、その結果として頭痛や視力の変化などが生じる危険があります。この病気は主に50歳以上の白人女性に多く見られ、視力を失う可能性もあるため、早期の治療が重要となります。現在、GCAの治療法は限られており、多くの患者がグルココルチコイドを使用していますが、その投与を中止すると症状が再発することがあります。

アッヴィのリサーチと開発を担うエグゼクティブバイスプレジデント、Roopal Thakkar, M.D.は、「GCA患者にとって、治療の選択肢は限られており、より新しい治療法が必要です。このため、ウパダシチニブはグルココルチコイドの使用を抑えつつ、寛解を維持する手助けができると考えています」と述べています。

SELECT-GCA試験は428名の患者を対象に行われ、ウパダシチニブの安全性と効果を検証しました。この試験では、ウパダシチニブ補完療法と従来の治療法との比較が行われ、ポジティブな結果が得られました。試験の第2段階では、寛解維持を目指し、ウパダシチニブの投与を続けることの有効性と安全性について検討が進められています。

ウパダシチニブは、免疫に関連したさまざまな疾患に対する治療薬として、JAK阻害薬という新しいアプローチを持っています。アッヴィは、今後もこの薬に対する臨床試験を継続し、さらなる適応症の承認を目指していく方針です。

このように、アッヴィが開発する新薬ウパダシチニブは、現代の医療における大きな一歩であり、特にGCA患者にとっての治療選択肢が増えることが期待されています。リウマチ性疾患に関するアッヴィの研究開発の進展により、多くの患者さんがよりよい治療結果を得られることが願われています。

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