立正大学図書館企画展「知を刻む:版元が紡いだ書物世界」
立正大学図書館(東京都品川区)が、2025年10月3日から10月30日まで第53回企画展「知を刻む:版元が紡いだ書物世界」を開催します。この展示では、江戸時代に栄えた出版文化に焦点を当て、多彩な版元たちが手掛けた書物の世界を掘り下げます。
江戸、大坂、京都の三都を中心に、多くの版元が独自の出版活動を通じて日本文化を形成してきました。展示では、松会(堂)・蔦屋重三郎・蔦屋吉蔵(江戸)、河内屋太助・河内屋茂兵衛(大坂)、村上勘兵衛(京都)、そして地方出版の代表として駿府の採選亭が取り上げられます。この企画は、書物そのものへの興味を掻き立て、学びの入り口として役立つことを目指しています。
展示される資料
展示される資料の中には、例えば『拳会角力図会』という入門書があります。この書は大坂の義浪と吾雀に基づき、相撲の世界をビジュアルで解説しています。ここには中国から伝わった酒席遊戯にまつわる情報も含まれ、現在のじゃんけんの起源とも言われています。巻末には名所記の目録があり、河内屋太助が出版した名所図会を参照することができます。
また、『北越雪譜』は、越後塩沢の商人・鈴木牧之が著した本で、雪に関する話や越後の生活を描いた挿絵とともにお楽しみいただけます。作品には「文渓堂」の堂号も記されており、版元の背後にある文化的な背景をも感じ取ることができます。
セミナーや文化体験
展示を鑑賞するだけでなく、視察に来た方々が感受的に書物と接する機会も提供されています。この企画展では、専門的な学びへの導入となるような取り組みや、訪れる方々の知的好奇心を刺激する文化体験も大切にされています。書物との新しい出会いを通じて、自らの学びを広げるチャンスとなることでしょう。
展示の詳細
- - 展示期間: 2025年10月3日(金)~10月30日(木)
※プレオープン: 10月1日(水)、2日(木)は11:00~15:00
- 8号館 B1 古書資料館(10:00~17:00)※月~土開館
- 11号館 1F 展示コーナー(10:00~18:30)※月~土開館
- 13号館 B2 特別展示室(10:30~16:30)※火~土開室
この特別な展示イベントは、書物文化の豊かさと奥深さを再認識する良い機会です。立正大学の図書館で、版元が生み出した宝物を通じて、江戸時代の文化に触れてみてはいかがでしょうか。