モデルナ、CMVワクチンの臨床試験中止を発表し新たな展開へ
モデルナのCMVワクチン開発に関する最新情報
2025年10月22日、アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジにあるモデルナ(NASDAQ: MRNA)は、開発中のサイトメガロウイルス(CMV)ワクチン「mRNA-1647」に関連する臨床試験の最新結果を発表しました。その目立った結果は、主要評価項目であるCMV感染予防を達成しなかったということです。
この試験は、16歳から40歳までのCMV未感染の女性を対象にしており、計約7,500人が参加した史上最大規模のCMVワクチン有効性評価試験の一環でした。結果として、初感染の予防に関して得られた有効率は、症例定義により6%から23%という低い数値でした。
モデルナの最高経営責任者であるステファン・バンセル氏は、この結果について「先天性CMVを防ぐワクチンを待ち望んでいた多くのご家族や医療関係者にとって非常に残念です。現在、さらなる情報を収集し、医学界とこれらの結果を共有していく予定です」と述べています。
臨床開発プログラムの中止
今回のデータを受けて、モデルナは先天性CMVに対する臨床開発プログラムを中止する意向を示しています。特に、CMVが骨髄移植患者などにおいて潜伏ウイルスとして再活性化し、深刻な疾患を引き起こす可能性があることから、同社は引き続き高リスク患者に対する研究を行う意向を持っています。
継続する第2相試験
モデルナは、骨髄移植患者を対象とした第2相臨床試験については引き続き評価を進めると発表しました。この試験においては、mRNA-1647が再活性化関連疾患の抑制に役立つ可能性があると期待されています。過去の試験でも、mRNA-1647は概ね良好な安全性プロファイルを示しており、今後の試験に向けた希望が寄せられています。
経営への影響は限定的
モデルナは、今回の第3相臨床試験結果が2025年の業績見通しや2028年の損益分岐点に与える影響はないと予想しています。mRNA-1647の市場投入に向けた投資が必要であるものの、その収益貢献は当初から最小限に抑えられる見込みであるとしています。
モデルナの展望
モデルナは、COVID-19ワクチンの開発を通じてmRNA技術の可能性を広げてきました。今後も感染症や様々な疾患に対するmRNA医薬品の開発に取り組み、健康への貢献を目指していく方針です。mRNA-1647についての詳細や新たな研究成果については、引き続き注目が集まります。
この発表内容は、モデルナの公式サイトや各種SNSプラットフォームを通じても情報提供されていますので、興味のある方はぜひそちらもチェックしてみてください。
会社情報
- 会社名
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Moderna, Inc.
- 住所
- 200 Technology Square CambridgeMassachusetts
- 電話番号
-
617-714-6500