小児がん研究に挑むaiwell、東京科学大学と連携し次世代創薬へ

近年、医療分野におけるAIの活用が進む中、東京科学大学認定のベンチャー企業であるaiwell株式会社が注目を集めています。この企業は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）の小児がんに関する研究プロジェクトに参画することとなりました。このプロジェクトは「小児がんFFPE標本を活用した革新的プロテオーム解析とバイオインフォマティクスによる次世代創薬開発」というタイトルで展開されています。

AMEDとは

AMEDは、日本の医療および生命科学分野の研究を支援する政府の機関であり、様々な研究プロジェクトを推進しています。今回、aiwellはAMEDの支援を受けて進行中の小児がん研究プロジェクトに参画し、血液中の新規バイオマーカーの探索を担当します。この研究は、企業と大学、医療機関が協力することで、難治性の小児がんに対する新たな診断法や治療法の開発に寄与することが期待されています。

aiwell株式会社の活動

aiwell株式会社は、タンパク質の網羅的解析を行う「AIプロテオミクス」という技術を提供しています。この技術は、東京科学大学の林宣宏教授によって開発された国際特許を持つもので、二次元電気泳動を用いて得られたプロテオミクス画像をAIが比較検証し、病気のバイオマーカーを迅速に探索することが可能です。このプロセスは、早期診断や創薬の場面で大いに役立ちます。

さらに、aiwellは競走馬や牛、豚といった家畜、さらには農作物や食料品など、多様な市場ニーズを背景にしたプロテオミクス技術の提供を行っています。特に注目すべきは、新川崎と神戸に設立したプロテオミクスイノベーションセンター（通称PIC）で、ここでは様々な分野のニーズに応じた分析技術が提供されています。

今後の展望

AMEDとの共同研究により、aiwellはさらなる発展が期待されます。新たなプロテオーム解析技術を用いて、小児がん患者の状態に応じた新しいバイオマーカーの発見を目指し、次世代の創薬技術に貢献することが期待されているのです。加えて、aiwellは既に3件の特許を取得しており、今後の成長がますます見込まれます。