寿海酒造が参加した新たな取り組み
最近、株式会社welzoが主導する「みんなのサツマイモを守るプロジェクト(SSP)」に、宮崎県串間市の寿海酒造が新たに加わることになりました。このプロジェクトは、サツマイモ基腐病から日本の貴重なスイートポテトを守り、産業の再興を図る画期的な試みです。
寿海酒造は1985年に設立して以来、40年の歴史を有し、赤芋をベースにした焼酎を中心に約200種の原酒を生産しています。一貫した信頼関係を築いてきた農家との連携の下、安定した原料調達を行っており、今回の参画を契機に焼酎づくりと地域産業の未来をつなぐ新たな道を模索していくことが期待されています。
SSPの活動内容と目的
「みんなのサツマイモを守るプロジェクト」は、四つの柱を中心にサツマイモ業界の課題に取り組んでいます。具体的には、情報の共有、品種開発、研究活動、啓発活動を通じて、基腐病の影響を最小限に抑え、農業の持続可能性を追求しています。
特に、基腐病は難解な問題であり未解決のままですが、関係者全員が集まり知恵を絞ることで新たな防除法を見出そうとしています。また、東京大学と連携した新しい品種開発も進められており、このような共同努力がサツマイモ産業全体を底上げすることに貢献することを目指しています。
未来に向けた新たなビジョン
寿海酒造では、今回の参画を通じて自身の焼酎の品質を向上させ、さらに若い世代や海外市場へのアプローチを強化していくことを目指しています。香り高い酒質や新しい飲用シーンを提案することで、サツマイモや焼酎の新しい魅力を発信する方針です。加えて、「imo mamo FES」といったイベントでの共創を通じて、生産者と消費者を結びつける取り組みも進めます。
さらに、サツマイモの栽培、加工、流通、観光などを横断的に支援し、地域経済圏を強化することで、持続可能な経済基盤を構築していく考えです。これにより、九州の焼酎文化を次世代に継承し、世界的にも誇れる存在にすることを目指しています。
地域との強固な連携
寿海酒造の常務取締役、吉田知佳津氏は、今回のSSPプロジェクトへの参加が一人ではできないことをみんなで達成するための大きな一歩であると強調しています。農家との信頼関係を大切にしながら、焼酎の魅力を広め、農業の未来に希望を与え続ける姿勢で取り組んでいくと述べました。
また、welzoの取締役でありSSPプロジェクトリーダーの後藤基文氏は、「南九州の芋焼酎文化と農業を結びつける取り組みの一環であり、地域全体の持続可能な発展を支えていきたい」と意気込んでいます。
結びに
この新たな取り組みは、地域の伝統と革新を融合し、未来のサツマイモ産業を構築するための重要な一歩です。寿海酒造とwelzoのコラボレーションが日本のサツマイモ業界にどのような新しい風を吹き込むのか、今後の展開に目が離せません。