クリーンエネルギー触媒
2026-07-27 10:42:13

水質汚染物質をクリーンエネルギーに変える新しい触媒技術

水質汚染物質をクリーンエネルギーに変える新触媒技術



1. 研究の概要


高知工科大学のユアン・チュンユさん及び伊藤亮孝教授、藤田武志教授、名古屋大学の大戸達彦准教授らは、自己適応型触媒を開発しました。この新しい触媒は、銅とコバルトから構成され、水質汚染物質である硝酸イオンを電気化学的にアンモニアへ変換することに成功しました。このプロセスでは、反応の中で触媒が自己進化し、より活性の高い状態へと適応します。これにより、農業や工業からの有害な排水を浄化しつつ、グリーンアンモニアを回収することが可能となります。

2. 自己適応型触媒の特性


この触媒は、従来のものとは異なり、反応中に活性が高い構造(水酸基を多く含む酸化Cu活性種)へと進化します。研究グループは、様々な測定技術と理論計算を駆使して、この進化の過程を明らかにしました。反応が始まると、金属銅は自ら活性種として機能し、その後の反応進行の中で水酸基を含む酸化Cuに転化して、硝酸イオンを効率よく吸着する役割を果たしました。同時に、コバルト酸化物は水分子を分解し、反応に必要な活性水素を生成することで、高速で効率的な反応を支援します。

3. 研究の背景


アンモニアは肥料の原材料であり、脱炭素社会実現のための重要な水素キャリアです!しかし伝統的なハーバー・ボッシュ法では、高温と高圧が要求され、エネルギー消費が多くCO₂を排出します。これを解決するため、近年注目を集めているのが常温・常圧での硝酸電解還元反応(NO₃RR)です。この反応を用いると、持続可能なエネルギー源を利用して、硝酸を含む水質汚染物質を濾過しつつ、アンモニアを生成することができます。同時に、環境の浄化を実現可能とします。

4. 研究内容の詳細


この研究グループは、常温かつ常圧で合成できるヘテロ構造酸化物触媒を開発しました。様々な金属元素の組み合わせを試みた結果、銅とコバルトの最適な比率が最良のアンモニア生成性能を示しました。反応中に自己構造が変化する「自己適応型再構築」を通じて、触媒の高効率な性能を実現しました。これにより、アンモニア生成速度として54.68 mg h⁻¹ mgcat⁻¹、ファラデー効率は95.4%という高いレベルに達しました。

5. 今後の展望


研究グループはこの触媒が実際の排水処理に役立つと期待しています。硝酸を含む排水の浄化を行いながら、同時に有用なアンモニアを回収する、環境に優しい新しい技術としての応用を目指します。また、電解セルの大型化や再生可能エネルギーを活用したシステムへの展開も計画されています。未来の環境技術において、自己適応型触媒が重要な役割を果たすことが期待されています。


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会社情報

会社名
高知県公立大学法人 高知工科大学
住所
香美市土佐山田町宮ノ口185
電話番号
0887-53-1111

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