葬儀が終わった後こそ支えたい
埼玉県所沢市にある水と光の納骨堂『Argha(アルガ)』を運営する宗教法人円満院は、葬儀後に深い悲しみを抱える遺族に寄り添うため、僧侶を対象とした「グリーフケア研修」を実施しています。本研修は2024年7月より開始され、これが第6回目の開催となります。
講師との対話を通じた理解の深化
2026年3月の研修では、上智大学グリーフケア研究所の伊藤高章先生を講師として招き、参加者は講義とディスカッションを通じて葬儀後の遺族に対する継続的な心のケアの重要性を学びました。近年の少子高齢化や単身世帯の増加が影響し、葬儀の形が変わっている中、それに伴い「弔う時間」や「手を合わせる場所」が日常から遠ざかり、遺族は孤独や悲しみを抱えやすくなっています。この状況下で、僧侶がグリーフケアを学ぶ意義が求められています。
グリーフとは何か?
研修の中で最初に触れたのはグリーフの本質です。グリーフとは単なる死別の体験だけでなく、人生の変化によって生じる感情でもあります。これを無理に取り除くのではなく、時間をかけて向き合うことが必要だということが強調されました。「失ったものと共に生きていく」という視点が重要で、これは仏教の教えとも深く結びついているとされています。
参加者の内面に目を向ける
伊藤先生は「仏教の素人にこのように説明されてどう感じましたか?」と問いかけ、参加者の内面を見つめ直す意義を強調しました。私たち僧侶が向き合う遺族も、同様の感情や戸惑いを抱えていることを認識し、自身の感覚や情緒を否定することなく受け入れることが求められています。
実践的な研修の展開
この研修では、ただ知識としての理解にとどまらず、実際の現場でどのように遺族に寄り添うか、関わり方や言葉の選び方を具体的に考え合う実践が行われました。この取り組みは、葬儀後も続く悲しみに寄り添う僧侶の新たな役割を模索する重要な機会となっています。
参加者からのフィードバック
参加した僧侶たちからは、教えを説くことよりも相手の話を聴くことの重要性に気づいたという声や、遺族との会話から得たエピソードを戒名や法要に反映し、喜ばれる機会が増えたという報告があります。また、故人の趣味を49日法要の中で語ることで、その場の雰囲気を和らげることができるようになったとも言われています。
現場の課題と講師からの示唆
ディスカッションでは、限られた時間内での傾聴や教えと対話のバランス、初対面の遺族から本音を引き出す方法など、現場ならではの悩みが共有されました。これに対し講師からは「何とかしてあげようとする声掛けは空振りになりやすい」とのアドバイスがありました。
代表者の思い
宗教法人円満院の代表役員和田哲哉氏は、「大切な方を亡くした悲しみが癒えるまでには長い時間がかかる。葬儀後もご遺族の心に寄り添う僧侶の育成を続けることが重要です。」と述べています。時代が変わっても、故人を思う気持ちは変わりません。現在、葬儀や法要にとどまらず、心に寄り添う弔いの在り方を追求しています。
納骨堂『Argha』の特徴
水と光がテーマの『Argha』は、屋内・屋外に異なる納骨堂を備えています。参拝者は契約時に登録した「マイページ」から、参拝予約や写真の管理ができ、墓や供養に対する気軽さを提供しています。このような取り組みを通じて、現代のニーズに応える新しいアプローチが模索されているのです。