宇宙データで森林管理革新!新技術による資源把握の実証開始
北海道を拠点に活動するnitay株式会社は、株式会社ArchedaおよびSOC株式会社と共に、北海道の「令和8年度 宇宙関連産業振興事業」において、森林資源量の推定に関する実証プロジェクトを開始しました。このプロジェクトでは、衛星データを活用し、地上部バイオマス量(AGB)を推定する手法を確立することを目指しています。これにより、現地調査に依存した従来の手法を効率化し、森林の管理をより科学的に行うことができるようになります。
実証プロジェクトの背景
森林管理は地域経済を支える重要な役割を果たしており、持続可能な利用が求められていますが、林業従事者の数は減少し続けています。1985年には約12.6万人いた林業従事者が、2020年には約4.4万人にまで減少しました。このような状況の中、人手による現地調査の依存から脱却し、より効率的に森林資源を把握する方法が求められています。
従来の方法では、標準地調査により一部地域のデータを基に全体の資源量を推定する形式が取られており、地域ごとの実情を反映しきれない課題がありました。しかし、衛星データを利用することで、高頻度且つ低コストでの観測が可能となり、広域の森林状況を一度に把握できる可能性があります。
プロジェクトの実施内容
本実証プロジェクトは、以下の5つのステップで進められます。
1.
正解データの整備
北海道が提供する航空レーザー計測の成果を基に、地上調査やドローン搭載のレーザー計測でデータを補完します。
2.
衛星データの調達
分解能が異なる光学衛星4種と、波長帯が異なるSAR衛星2種を用意し、それぞれのデータを組み合わせて性能を比較検討します。
3.
解析・モデル構築
衛星データを元にモデルを構築し、資源量の推定を行います。
4.
精度評価
新たに構築した手法の精度を評価し、現地調査との比較を行います。
5.
効果検証
現地調査の負担をいかに代替できるのか、また経済的側面でも現場のニーズに応じた評価を行います。
このプロジェクトから得られる情報を基に、林業事業者や自治体との連携を進め、今後は持続可能な森林管理を実現するための具体的なサービスへの展開が期待されています。
今後の展望
nitay、Archeda、SOCは、このプロジェクトを通じて成立させるAGB推定技術を、林業事業者や森林組合、自治体などに役立つツールとして発展させていく計画です。具体的には、林班単位での推定材積マップの作成や、収穫量が見込めるエリアの優先順位を可視化するシステムを開発し、現場の意思決定に直接役立つ情報提供を目指しています。さらに、森林クラウド管理ツールへの統合も視野に入れ、効率的な森林管理が可能となる仕組みを模索しています。
このプロジェクトを通じて、森林資源の持続可能性を高め、林業界の新たな展望を切り開くことが期待されています。今後の進捗にも注目が集まります。