共創による新規事業開発の実態
日本の企業における新規事業開発は、近年「共創」というアプローチが注目されており、その実態を明らかにする調査が実施されました。東京丸の内イノベーションプラットフォーム(TMIP)が行った調査では、109名の新規事業担当者を対象に「企業の新規事業と共創に関する実態調査」を行い、共創の重要性とその成功要因を探りました。
調査の背景と目的
TMIPは、企業、新興企業、学術機関、官公庁との連携を促進し、新たな事業を生み出すことを目指すオープンイノベーションプラットフォームで、今調査もこの取り組みの一環として行われました。調査の目的は、企業の新規事業創出における共創の実態を理解し、成功要因や課題を抽出し、さらなるイノベーション活動を支援することにあります。
共創の実態と結果
調査の結果、なんと94.1%の企業が、新規事業の黒字化に成功している案件は「共創」に取り組んでいると回答しました。この結果は、共創が新規事業開発における重要な要素であることを示しています。特に、黒字化を達成した新規事業では、共創に取り組んでいる企業の割合が圧倒的に高いことが分かりました。
また、企業が新規事業において求めているサポートのトップは「共創パートナーとのマッチングやネットワーキング支援」であることが明らかになりました。特に、スタートアップとの共創や他の大企業との連携が重視されており、これが新たな価値の創出に寄与しています。
共創の定義と意義
この調査での「共創」とは、自社だけでなく、他社、スタートアップ、大学、研究機関、業界団体などとの連携を通じて新たな価値を共に創り出すプロセスを指します。これは、特に大企業にとってイノベーションのスピードアップに寄与するものとして期待されています。
さらなる取り組み
調査結果を受け、TMIPは今後もこのような共創型のビジネスモデルを推進するため、さらなる支援策を検討しています。そのためには、共創を実現するためのネットワーク作りやスキル開発など、多岐にわたるサポートが必要です。
この調査は、企業がどのように新たな価値を創造し、競争力を高めているかの一端を明らかにするものであり、共創が今後のビジネスシーンにおいていかに重要な役割を果たすかを示す一助となることでしょう。
今後の展望
共創を通じて新たに描かれるビジネスの風景、それはさらなる革新を加速させる可能性に満ちています。企業は、単独の力ではなく、連携を図ることで新しい市場や事業機会を見出す時代に突入しています。この動きは、ビジネス界だけでなく、社会全体の進化にもつながるでしょう。
これからもTMIPを中心に、新規事業の創出や支援の動きが活発に行われていくことが期待されます。