大阪工業大学、未利用熱を生かす新素材を開発
大阪工業大学の村田理尚准教授が率いる研究チームが、熱電発電用の新素材を開発しました。この革新的な素材は、社会から生まれる排熱を有効活用し、カーボンニュートラル社会の実現に寄与できる可能性があります。
熱電発電とは何か?
熱電発電は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する技術です。この技術の最大の特徴は、通常は無駄にされてしまう排熱を利用できる点です。例えば、工場の製造過程で生じる熱や、発電所の排熱など、さまざまな場所で活用することができると期待されています。
村田准教授の挑戦
村田准教授は、熱電発電に必要不可欠な材料であるn型半導体の研究に注力しています。これまでのn型半導体は、安定した品質を確保するのが難しく、効率的な発電が困難とされてきました。しかし、村田研究室では新しいアプローチにより、塗布・製膜が可能なn型半導体を開発。それにより、従来の製造方法に比べてコストを大幅に削減することが期待されています。
熱電フィルムの特長
村田准教授が開発したn型熱電フィルムは、特にその形態に特徴があります。インク状の半導体をプリンターを用いて製造することで、従来の技術に比べてコストと手間を軽減できます。また、この熱電フィルムは、体温を利用することができるため、温度が高い部分に巻き付けて使用することが可能です。これにより、ヘルスケア関連の製品としての応用も考えられています。体温をエネルギー源とした新しいヘルスケア用品の登場に期待が高まります。
今後の展望
本研究は、排熱の有効活用に向けた重要な一歩であり、カーボンニュートラルの実現に向けた技術の進歩が期待されています。大阪工業大学では、今後もこの研究を深化させ、さまざまな用途への展開を目指していく予定です。さらに、毎月行われる「研究力」連載では、学校内の各研究室が持つ革新的なアイデアを広く紹介していくことにより、研究への関心を高める取り組みも行っています。
大阪工業大学のホームページ内にある「研究室VOICE!」では、他の研究テーマも紹介されており、研究者たちの熱意や挑戦が感じられる内容となっています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
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