新たな「今年の漢字」を選び出す旅が始まる
毎年恒例の「今年の漢字」募集が、いよいよ11月1日から始まります。公益財団法人日本漢字能力検定協会が主催し、選ばれた漢字は12月12日に京都の清水寺で発表される予定です。1位に選ばれる漢字は、全国からの投票によって決定され、その年の世相を象徴するひと文字として評価されます。しかし、1位に選ばれなかった漢字たちもそれぞれの時代を映す重要な言葉です。今回は、過去30年間で第2位に輝いた漢字を振り返り、その背景に触れていきたいと思います。
2位の漢字が秘める意味
「今年の漢字」第1位は毎年多くのメディアで報じられますが、2位の漢字はあまり注目されることがありません。この募集が始まって以来、2位の漢字は毎回異なる社会情勢や流行を表しています。本記事では、過去に第2位に選ばれた漢字を見ていき、当時の出来事と関連づけて考察してみます。
過去の第2位の漢字
1.
1998年 - 「不」
この年は、経済不況や政治不信が世間を揺るがしました。特に話題となったのは和歌山県のカレーに関する事件や、ヒ素・ダイオキシンなどの問題が重要視された年でした。選ばれた漢字「不」は、応募数501票に対し、1位は「毒」(2,693票)でした。この時代の人々の不安を象徴する一字でした。
2.
2004年 - 「韓」
韓流ブームが訪れ、「冬のソナタ」に端を発した人気が高まりました。「韓」は6,243票を獲得し、大きなトレンドを示していましたが、1位の「災」に比べれば大きく差がついての結果でした。日本が韓国文化に強く影響され始めた時期でした。
3.
2013年 - 「楽」
この年は「楽天イーグルス」の日本シリーズ制覇など、楽しいニュースが多い年でした。「楽」は8,562票を獲得し、国民が希望に満ちた明るい未来を期待していたことを示します。
4.
2015年 - 「爆」
訪日外国人の「爆買い」が話題となりました。この漢字は、様々な事件や事故も踏まえ、急速に変化する世界情勢を反映しています。この年の1位は「安」でしたが、2位の「爆」は注目される漢字となりました。
5.
2018年 - 「平」
これは平成最後の年としても注目され、「平昌五輪」などのイベントが多くありました。平和への期待も込められた「平」は、時代の流れを象徴する一字でした。
このように、第2位の漢字には、その年その年の日本の社会や文化が反映されています。2025年の「今年の漢字」がどのような一字になるのか、興味が尽きません。
新しい漢字を募集中
2025年の漢字募集は11月1日から始まります。全国からの応募が待たれていますので、あなたの思いを一字に込めて応募してみてはいかがでしょうか。応募はWebまたは郵送で可能で、締切はそれぞれ12月4日と12月9日です。
ぜひこの機会に、「今年の漢字」にふさわしい一字を考えてみてください。世相を映し出す素敵な言葉が、また新たに生まれることを期待しています。