KDDIとさくらインターネット、ハイレゾがGPU需要に対応する基本合意書を締結

KDDIとさくらインターネット、ハイレゾのGPU需要への対応

2025年4月11日、KDDI株式会社、さくらインターネット株式会社、株式会社ハイレゾの三社は、急速に高まるGPU需要に対応するための基本合意書を締結しました。この合意により、各社は安定かつ迅速なGPUの相互利用が可能な体制を構築し、国内の生成AI開発を支える基盤を整備することを目指します。

背景

3社は、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資クラウドプログラム」の供給確保計画に認定を受けており、計算資源を国内のスタートアップやAI開発企業に提供しています。今回の合意は、急増するGPU需要に対し、柔軟な対応が求められる中で達成されました。安定したGPU利用環境の構築は、AI開発における質とスピードの向上に寄与することが期待されます。

合意に基づく取り組み

この合意を通じて、各社は企業間アライアンスを形成し、GPUの相互利用およびビジネス送客を推進します。KDDIの大阪堺データセンターでは、NVIDIA GB200 NVL72を利用した大規模生成AIモデルの開発が行われ、さくらインターネットの「高火力」クラウドサービスや、ハイレゾの「GPUSOROBAN」との相互利用が進められます。また、各社は様々な用途に応じた最適なGPU利用を推進するプラットフォームの提供も検討しています。

今後、AIサービスやプラットフォームの増加に伴い、GPUの需要はさらに高まるとみられていますが、各社はその需要に応じた安定供給体制の確立を今後の課題としています。これにより、国内のスタートアップやAI開発企業に向けた計算資源の提供を強化し、日本の産業競争力を向上させることを目指します。

各社からのメッセージ

KDDI株式会社代表取締役執行役員の桑原康明

KDDIは、デジタル化を推進するビジネスプラットフォーム「WAKONX」を介して、マルチクラウドと共にGPUサービスを提供します。AIが社会の基盤として重要性を持つ中、安定したGPU提供が不可欠です。さくらインターネットやハイレゾと協力することで、より多くのスタートアップやAI開発企業に最適なGPUを提供し、国内産業の発展に寄与していきます。

さくらインターネット株式会社代表取締役社長の田中邦裕

さくらインターネットは、クラウドサービスの重要性を認識し、生成AIの開発環境を整備することが今後の社会において不可欠であると考えています。今回の合意を通じて生成AI基盤モデルの開発を推進し、国内競争力を向上させるために様々な企業と連携していきます。

株式会社ハイレゾ代表取締役の志倉喜幸

ハイレゾは高性能GPUクラウドサービスを提供しており、今後もAI開発に必要なインフラを整備し、国内技術の革新と経済成長に寄与します。「AI計算力が世界で最も安い国、日本」を目指し、取り組んでまいります。

KDDI株式会社の事業展開

KDDIは「au」や「UQ mobile」、「povo」といったマルチブランドで個人向けサービスを展開し、法人向けには「KDDI BUSINESS」を通じて多様なサービスを提供しています。2022年には中期経営戦略に沿った「新サテライトグロース戦略」を策定し、生成AIや5G通信を基軸とした事業展開を行っています。また、AIデータセンターとしての大阪堺データセンターも2025年度中に稼働する予定であり、国内におけるAI開発の拠点となることが期待されています。