Windows 10カスタムサポートの総コスト1兆円超、企業に不安増
Windows 10カスタムサポートの高騰
Nexthink合同会社が発表した最新のレポートによると、Windows 10のカスタムサポート費用が驚異的な約1兆600億円(73億米ドル)に達する可能性があると警告しています。デジタル従業員エクスペリエンス管理ソフトウェアのリーダーである同社は、市場データとビジネス利用の急增を背景に、企業と公共機関への影響を注視しています。
現在、全世界のWindowsを搭載したデバイスは14億台に上り、その中で約30%にあたる4億2000万台が企業や公共機関で使用されています。特に、Windows 10は依然として市場の43%を占めており、約1億8,100万台のデバイスがこのOSを利用しています。これはまさに企業の日常業務に深く根付いた存在です。
デバイス数の減少と影響
Nexthinkが行った調査により、Windows 10を搭載したデバイスの数は5月から8月の期間で33%も減少しています。さらに、10月にはまた33%の減少が見込まれており、最終的に約1億2,100万台が残ると予測されています。これに伴い、カスタムサポートの初年度費用が1台あたり約8,800円(61米ドル)かかることから、全体で膨大なコストを抱えるリスクがあります。
企業への影響と移行の重要性
Nexthinkのデジタルエクスペリエンス戦略責任者、ティム・フラワー氏によると、「このOSから別のOSへの移行は、従業員に対するサポートの観点からも非常に重要です。ただ単にOSを交換するのではなく、従業員が新しい環境での業務改善に向けて準備し、問題を事前に把握することが求められるのです。」と述べています。
新しいOS、Windows 11は強力な機能を提供するものの、それをフルに活用するには適切な準備が必要です。しかし、これまでのところ、Windows 11はWindows 10と比べて不安定であるとの分析結果も出ており、各企業はそのリスクを考慮しなければなりません。
企業が取るべき対策
Nexthinkは、OS移行に際して企業が取るべき具体的な対策をいくつか提案しています。まず、残存するWindows 10デバイスのハードウェアを評価し、Windows 11への適合性を確認します。また、サポートが終了したデバイスはマルウェアやサイバー攻撃にさらされるリスクが高まるため、事前の対策計画も重要です。
さらに、アプリケーションの互換性を確保し、古いハードウェアが生産性を低下させないようなサービスも考慮する必要があります。ITリソースの管理と共に、従業員に対して新しいツールの使い方を指導することも大切です。
最後に
ティム・フラワー氏は、「OS移行は企業にとって一大プロジェクトであるため、まずは現状を把握することが欠かせません。成功するためには戦略的アプローチが必要です。」と強調しています。移行を単なる法令の遵守とするのではなく、従業員にとって実際に業務改善に寄与する機会と捉えるべきです。
Nexthinkの力を借りて、企業はこれらの課題に立ち向かう準備を整え、自動化や標準化によって業務プロセスを見直し、従業員にとってより良いデジタル環境を提供することが求められています。
会社情報
- 会社名
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Nexthink合同会社
- 住所
- 東京都港区赤坂2-4-6赤坂グリーンクロス6F
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