NUKEM廃棄物処理施設稼働
2025-03-03 12:05:56

チェルノブイリ原発でNUKEM設計の廃棄物処理施設が稼働開始

NUKEM設計の放射性廃棄物処理施設がチェルノブイリで稼働



2015年のホット試運転に成功して以来、待望の運用を開始することが承認されたNUKEM Technologies Engineering Services GmbH(以下、NUKEM)が設計・供給した放射性廃棄物処理施設が、チェルノブイリ原子力発電所で正式に稼働を開始します。この施設は、発電所廃炉にともなう固体放射性廃棄物の安全で効率的な管理を目的としており、ウクライナ国家原子力規制検査庁(SNRIU)からの正式な認可を得たうえで、本格的な稼働が決まりました。

プロジェクトの背景と目的



このプロジェクトは、約10年以上にわたり準備が進められてきました。NUKEMは、安全基準の確立、耐久性評価、環境対策としての技術革新など、数多くの課題に着手し、それぞれの要件を満たすための努力を続けてきました。その成果が実を結び、ついに発電所の廃炉プロセスが進展することとなります。また、放射性廃棄物の管理がより効率的かつ安全に行われることで、周辺住民と環境のリスク低減にも寄与することが期待されています。

ICRSM(固体放射性廃棄物管理産業コンプレックス)の役割



本施設は、固体放射性廃棄物管理産業コンプレックス(ICSRM)として、廃炉措置に伴う廃棄物を安全に管理するために設計されています。具体的には、以下のような構成施設があります。

1. 中間貯蔵施設:発電所から排出される放射性廃棄物を一時的に保管し、処理方法を選択する役割を果たします。
2. 廃棄物回収施設:過去からの廃棄物を安全に回収し、最新技術を用いて放射線リスクを低減します。
3. 廃棄物処理施設:焼却、圧縮、セメント固化技術を組み合わせて、安全な管理を行います。
4. 貯蔵施設:低・中レベル短寿命廃棄物用に適切に分類し、周辺環境への影響を最小限に抑えます。

このプロジェクトは、EUの資金支援を受けており、G7とウクライナ政府の合意に基づいて進められました。国際的な協力の下で、最先端の技術が導入され、これが廃棄物管理の模範例とされることを目指しています。

NUKEMの取り組みと技術的貢献



NUKEMは、欧州連合のTACISプログラムに基づき、設計や建設、試運転、スタッフの研修まで、包括的に業務を担当しています。2009年に施設の引き渡しを完了し、2015年にはホット試運転を成功裏に終えています。そして、実際の放射性廃棄物を用いた試験運用が無事に終了し、施設の安全基準満たされていると証明されました。

NUKEMの代表であるトーマス・ザイポルトCEOは、施設が炉解体に不可欠なインフラであり、長期的な環境被害の軽減に寄与することを強調しています。このプロジェクトは、放射性廃棄物の安全な処分を実現し、環境保護の進展につながる大きな前進となります。

NUKEMの今後の展望



NUKEMは、1960年の設立以来、60年以上にわたって放射性廃棄物や使用済み燃料の管理に取り組んできました。今後も技術力と国際的なネットワークを活かし、より安全で持続可能な廃棄物管理を実現するとともに、原子力産業の発展にも寄与していく方針です。これにより、世界中での原子力関連プロジェクトを支援し、安全かつ効率的な廃棄物管理の実現が期待されています。


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会社情報

会社名
株式会社ムロオシステムズ
住所
東京都中央区日本橋本町4-15-1タカコービル4階
電話番号
03-6892-0550

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