光技術の医療応用
2025-01-27 13:23:15

名古屋市立大学の光技術研究拠点が医療の未来を照らす

名古屋市立大学(名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1)は、新たに「光技術研究拠点」を設立し、未来医療の鍵となる光技術の研究を進めています。この拠点では、光の波長特性を活かした難治性皮膚疾患やがん治療に対する新しい技術の開発が中心です。拠点設立を記念して行われたプレスセミナーでは、名古屋市立大学大学院医学研究科の森田明理教授が「未来医療の鍵を握る光技術:新たな治療法と応用範囲の拡大」と題して講演を行いました。

森田教授は、紫外光から可視光、赤外線までの光を利用し、幅広い医療領域において新しい治療技術の開発を目指すと語り、自らの研究の独自性を強調しました。本拠点は、光医学、光生物学、化学の分野で国内外のトップクラスを目指すとのことで、多様な研究者の参加が呼びかけられています。

この研究拠点は、名古屋市立大学のなごや先端研究開発センターが進める「卓越研究グループ支援事業」にも採択され、難治性疾患やがん治療に新技術を応用することがその最終目標です。

現在、特に注目されている研究テーマは、光を利用した免疫制御や新しい治療アプローチの確立です。具体的には、「糖、腫瘍ホーミングペプチド連結クロリンe6による次世代光線力学によるがん免疫に及ぼす効果の検討」「光線による免疫制御の基礎的解析」「光を自由自在に扱う最先端フォトニック結晶技術開発」といったテーマが研究されています。これらの研究は、基礎的な解析から応用技術の社会実装まで、幅広く行われています。

イルミナンスを高める研究において、森田教授は、名古屋市立大学が1975年に日本で初めて長波長紫外線(UVA)を用いた治療法0795を開始した実績を振り返り、今後は在宅光線療法機器の開発や皮膚がん向け治療機器のさらなる開発に取り組む考えを示しました。

拠点では、年10回の領域横断的な研究会やラボミーティングの開催に加え、大学院生などの若手研究者の育成にも力を入れています。これにより、多様な分野での『光』の応用を目指し、国際的な研究拠点を形成していく予定です。

森田教授によると、紫外線は皮膚の免疫の恒常性維持やビタミンDの生成などの機能があり、高齢者医療にも応用の可能性があるとのことで、研究の幅を広げる意向も示されています。さらに、外来植物の繁殖抑制といった新たな視点からの研究も進めており、光に関わるあらゆる生命現象の研究・利用を通じて、革新的な光技術の基盤を整備し国際的な研究拠点の形成を目指しています。

名古屋市立大学の取り組みは、医療分野における光技術の未来を明るく照らすものとなりそうです。今後の研究の進展に期待が高まります。


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会社情報

会社名
公立大学法人 名古屋市立大学
住所
愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1番地
電話番号
052-853-8005

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