株式会社Space Quartersが7.5億円を調達
株式会社Space Quartersは、シードラウンドとして7.5億円の第三者割当増資を実施し、宇宙建築技術の開発にさらなる拍車をかけています。リード投資家にはFrontier Innovationsが名を連ね、多様な投資家グループがこのミッションを支援しています。
この資金調達の目的は、2027年と2028年に予定されている宇宙での溶接や組立実証の実施に向けた開発の加速です。具体的には、プロジェクトの推進に必要な開発チームの強化や、試験設備の導入、そして宇宙での実証に利用される予定です。
Space Quartersのミッション
Space Quartersは「人類の可能性を拡げ続ける」を企業理念に掲げ、宇宙でのインフラを構築するための大型構造物の施工を目指しています。彼らの利点は、従来の宇宙建設にあったサイズや形状による制約を打破し、建材を地上から打ち上げて現地で組み立てる技術にあります。これにより、コストを大幅に削減しつつ、より大きな構造物を実現できるのです。
主なプロジェクトの進捗
設立は2022年6月で、スカパーJSATやJAXA、大林組、IHIエアロスペースなどの企業との連携が進んでいます。これらの企業や機関から受注したプロジェクトを通じて、宇宙建築ロボットシステムや電子ビーム溶接機の開発を続けています。このような連携は、Space Quartersの成長を促進すると同時に、宇宙建設の未来を形作る重要な要素です。
投資家からの期待
Frontier Innovationsの西村竜彦社長は、Space Quartersが未来の宇宙活動においてユニークなポジショニングを確立することを期待しています。また、慶應イノベーション・イニシアティブの友野直人氏は、同社の持つ技術が新たな宇宙経済の実現に寄与することを信じており、強力な支援を行う意向を示しています。
未来の宇宙経済に向けて
宇宙輸送の急激な進展とともに、民間企業やスタートアップの参入も加速しています。Space Quartersは、このような現状を背景に、宇宙における生活や文化の育成に寄与するインフラの構築を目指しています。しかし、それを実現するためには、宇宙での建設手段が確立される必要があります。
将来的には、軌道上サービス網の構築や、OTV(Orbital Transfer Vehicle)を活用した物流システムが重要な役割を果たすと考えられています。Space Quartersはその課題に挑むことで、宇宙インフラを確立し、人類の活動範囲を拡げることを目指しています。
今回の資金調達を通じて、Space Quartersはそれに必要な基盤を整備し、宇宙での新たな挑戦を加速させていくことでしょう。CEOの大西は、宇宙を生活圏とする未来を目指す意欲的なビジョンを語り、今後の展開に期待を寄せています。