名古屋商科大学では、経営学部の椿田貴史教授、経済学部の川副延生教授、松尾信之教授の3名による共同研究が進行中です。この研究は公益財団法人 大幸財団の「第13回人文・社会科学系学術研究助成事業」に選ばれ、在日ベトナム人技能実習生の健康を増進することを目的としています。
研究の詳細と目指すべき成果
本研究は、ヘルスリテラシーの向上と医療機関へのアクセスの改善を通じて、在日ベトナム人技能実習生の健康を増進しようとするものです。具体的には、実習生のヘルスリテラシーを測定し、日本の学生との比較を通じてその特徴を明らかにすることが狙いです。さらに、医療機関へのアクセスの課題も洗い出し、その課題解決に向けた支援策を提言することが期待されています。
教授陣はそれぞれ異なる専門性を持ち、研究の基盤を強化しています。椿田教授は臨床心理学の専門家であり、健康教育や心理的側面からのアプローチに優れています。また、川副教授は経済統計を専門とし、中国を対象にした医療保険の経済的研究でも知られています。松尾教授は歴史学を専門とし、ベトナムの社会史についての知見を持っています。この多面的なアプローチにより、研究はさらに深みを増すと考えられています。
大幸財団と名古屋商科大学の役割
大幸財団は、愛知県内の教育機関の研究を支援するために設立され、特に人文・社会科学系の独創的な研究を評価し、助成を行っています。名古屋商科大学は1953年に設立され、国際認証を取得するなど、高い水準の経営教育を提供しています。今回の研究が成功すれば、大学の教育理念と研究の実績が一層強化されるでしょう。
ベトナム人技能実習生について
在日ベトナム人技能実習生は、医療機関へのアクセスに関するさまざまな課題を抱えているとの報告があります。そのため、本研究は彼らの生活の質を向上させるための重要な一歩と言えます。日本で暮らす外国人に対する支援の必要性が高まる中、本研究の成果が他の国の実習生にとっても参考になることが期待されます。
まとめ
名古屋商科大学の教授陣によるこの共同研究は、在日ベトナム人技能実習生の健康と福祉を向上させるための重要な取り組みです。ヘルスリテラシーと医療機関へのアクセスの改善を通じて、この研究は学術的な結果を出し、実際の社会への貢献にも繋がることを目指しています。研究の進展が今後どのような具体的な支援策を生み出していくのか、その行く先に注目です。