2024年度上期飲食業界の給与動向を探る

2024年度上期飲食業界の給与動向

2024年度上期の飲食業界の動向に関する調査結果が、飲食店専門の求人情報サイト「求人飲食店ドットコム」を運営する株式会社シンクロ・フードから発表されました。この情報は、東京都、大阪府、愛知県、福岡県における飲食店の求人案件に基づいており、63,627件のデータが分析されています。

調査概要

調査期間は2024年4月から2024年9月までで、給与は募集時の下限額を基に算出され、少数点以下は四捨五入されています。東京都の2024年度上期の平均月給は293,283円で2023年度下期から4,027円の上昇、これは前半期比で101.4%に相当します。一方、大阪府は281,291円、愛知県は272,593円、福岡県は261,267円という結果となっており、前年比でも増加傾向にあります。

時給に目を向けると、東京都では1,278円、大阪府では1,175円、愛知県は1,108円、福岡県は1,064円となり、これらも前年と比較して上昇しました。ただし、2023年度下期に最低賃金の大幅な改定があった影響で、2024年上期の時給の伸び率は鈍化したといえるでしょう。

業態別の分析

飲食業界の中でも特に注目すべきは、業態別の平均給与の変動です。主要業態5つ（イタリアン、和食、居酒屋・ダイニングバー、カフェ・喫茶店、洋食・西洋料理）の中で、2024年度上期の月給が最も上昇したのは「居酒屋・ダイニングバー」で、なんと5,934円の増加を見せました。これに続くのは「和食」で、両業態は30万円を超える結果となりました。また、洋食・西洋料理の業態は初めて平均給与が下がるという事態が発生しました。

採用が難しい業態においては給与が高めに設定されている一方、採用が容易な業態に関しては比較的低めの給与設定がされている傾向が見られ、2024年度下期もこの流れが続く可能性が考えられます。

職種別の給与動向

職種別の平均給与も注目に値します。東京都および大阪府では、サービス・ホールよりも調理スタッフの方が高い給与水準となっており、これは飲食業界全体の傾向として沈みます。これは、調理に求められる技能や経験が高く評価されているためと考えられます。

求人飲食店ドットコムでは、引き続き飲食業界に関する様々なデータを解析・分析し、飲食店で働きたい方々と飲食店の出店者・運営者に価値ある情報を提供していく方針です。

企業情報

株式会社シンクロ・フードは、飲食業界の発展を目指し、飲食店の開業や運営支援を行うプラットフォーム「飲食店ドットコム」を運営しています。同社は、テクノロジーを活用し、飲食業界に関連するヒト・モノ・情報をシンプルでスピーディーに提供することを目指しています。代表的なサービスとしては、飲食店の出店・運営支援サービスや、飲食業界専門の求人サイトなどがあり、今後も多様なサービスを展開する予定です。