VRで弱視治療の負担軽減!InnoJin株式会社がAMED「医工連携イノベーション推進事業」に採択
日本医療研究開発機構(AMED)が実施する「医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業(ベンチャー育成))」に、InnoJin株式会社が採択されました。同社は、VRを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器の開発を行い、患児の負担軽減と治療効果の向上を目指します。
弱視治療の課題:患児の負担と治療効果の低減
弱視は、視力不良を主な特徴とする眼の病気で、小児における発症率は約1~5%とされています。日本では約21万人の弱視患者が存在し、その社会的損失は約2.2兆円と推定されています。
従来の弱視治療は、眼鏡の着用に加え、アイパッチを用いた健眼遮閉(健眼を遮閉し弱視眼を強制的に使用)による訓練が中心でした。しかし、この方法は、患児の年齢が上がるにつれて一日あたりの遮閉時間を延長する必要があり、患児の心理的・物理的負担が大きくなってしまいます。その結果、患児が訓練を拒否したり、親が自己判断で訓練を中断したりすることが多く、治療効果の低減に繋がっていました。
VRを用いた弱視訓練:負担軽減と治療効果向上への期待
InnoJin株式会社は、VRを用いた新しい弱視訓練方法を開発することで、患児の負担軽減と治療効果の向上を目指しています。VRを用いることで、患児はゲーム感覚で楽しく訓練に取り組むことができ、従来のアイパッチによる訓練に比べて、心理的な負担を大幅に軽減できることが期待されます。
InnoJin株式会社の取り組み
今回の事業では、VRを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器の安全性検証試験を実施し、軽量化および小児の瞳孔間距離に適した小型のヘッドマウンドディスプレイ(HMD)を開発します。さらに、健眼遮蔽時間設定機能や利用履歴確認機能などを実装したプロトタイプを開発し、臨床試験を実施する予定です。
社会実装による未来への貢献
InnoJin株式会社は、本製品の社会実装を通じて、従来の弱視治療方法よりも患児への心理的・物理的負担が少なく、短期間での治療を実現することを目指しています。視力にハンディキャップを背負う子どもがいない未来を創出するため、同社の取り組みは大きな期待を集めています。
InnoJin株式会社について
InnoJin株式会社は、2020年12月1日に設立された、医療及びヘルスケアに関するITを活用した事業を展開するベンチャー企業です。同社は、VR技術を用いた医療機器開発をはじめ、医療情報収集・分析、ウェブコンテンツ制作、コンサルティングなど、幅広い事業を展開しています。