子どもの食の確保へ冬休み支援
国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下、セーブ・ザ・チルドレン)は、2024年の冬休みを前に、経済的に困難な状況にある5,006世帯を対象に「子どもの食 応援ボックス」を発送します。この取り組みは、子どもたちが長期休暇中も安定した食環境を享受できるようにすることを目的にしています。食の支援活動は、2024年12月初旬から開始され、年内には全ての世帯への配送を完了する予定です。
現在の食事状況
セーブ・ザ・チルドレンが実施したアンケート調査によれば、経済的な理由から、給食以外の食事で米を十分に食べられない家庭が35.0%(1,754世帯)に上ることが明らかになりました。この結果は、物価上昇の影響を受けていることを示しており、前年には同様の状況で報告された世帯は12.2%にとどまっていました。この増加は、食事の質や子どもの健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
経済的な理由とその影響
米が十分に食べられない理由として、「お米の高騰や物価上昇に対して賃金が上がっていない」と回答した世帯は76.1%を占めました。そのため、家庭内では保護者が米の量を減らすことが多いとされ、同調査によれば85.5%の家庭がそのような対策を取っています。また、約7割の世帯が政府に対して、経済的に困難な子育て世帯への現金給付や生活費の無償化を求めています。
支援内容について
「子どもの食 応援ボックス」には、主食や副菜、飲料などの食料品のほか、文房具や各種情報が詰め込まれています。具体的には、米などの主食、飲料、お菓子が含まれ、1世帯あたり約30品(約10kg)を送付します。提供は23社からの協力を得て実施されます。
子ども支援への取り組み
この取り組みは、長期休暇中に子どもたちが経済的な不安を抱えることなく、安心して食事できる環境を整えることを目的としています。セーブ・ザ・チルドレンは、この支援を通じて、子どもたちの健康的な生活環境を築くことを目指しています。
また、セーブ・ザ・チルドレンは日本国内において2010年から子どもの貧困問題に取り組み、直接支援や社会啓発、政策提言を通じて問題解決に努めています。2020年の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急支援の一環としても、食の支援を開始し、すでに32,095世帯に支援を届けてきました。
セーブ・ザ・チルドレンの使命
セーブ・ザ・チルドレンは、1919年にイギリスで設立された国際NGOで、世界中の子どもたちの権利を守り、育てるために活動しています。日本でも1986年から活動を続け、すべての子どもが安全で健康に育つことを目指しています。
日本の現状を踏まえ、さらなる支援が求められています。「子どもの食 応援ボックス」は、その一助となることが期待されます。