世界初の無人選別システム、廃小型家電を救う
日本では資源の大部分を海外に依存している現状が続いており、特に近年の国際的な資源需要の高まりは、我々に新しい解決策を求めています。廃小型家電のリサイクルが重要視される中、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、国立研究開発法人産業技術総合研究所、大栄環境株式会社、佐藤鉄工株式会社との共同で、廃小型家電に特化した無人選別システムの実証を開始しました。
1. これまでのリサイクルの課題
2013年に施行された小型家電リサイクル法により、廃小型家電に含まれる貴金属やレアメタルの再資源化が期待されていましたが、収集される廃製品の種類の増加やリチウムイオン電池による火災の発生がリサイクル工場の負担を大きくしています。手作業の負担を軽減し、効率的な資源回収を目指す新たな技術が待たれていました。
2. 本システムの概要
新開発の無人選別システムは、スマートフォンやタブレットなどの廃小型家電6品目を対象とし、AIが機種を判断。自動的に最適な破砕と選別を行い、貴金属、銅、レアメタルを回収します。新たに設置された搬送コンベヤーなどの装置が連携し、無人で連続運転が可能です。これにより、効率的で安全な資源回収が実現され、リサイクル業界の人手不足解消にも寄与するでしょう。
3. 今後の展望
この無人選別システムは、環境問題を解決する新たな道を切り開くものです。連続運転試験を通じて得られたデータを基に、今後は対象となる家電や回収素材の拡大さらに完全無人運転の実現を目指し、研究開発が進められます。NEDOは、この取り組みを通じて経済活動と環境負荷の低減を両立させ、循環経済の成長を目指しています。
4. 未来のリサイクル業界
無人選別システムの実用化は、廃小型家電の新しいリサイクルの形を提示するものです。これにより、我々はより持続可能な社会を構築するための選択肢を増やすことができます。今後の進展を期待しつつ、リサイクル技術のさらなる進化に注目です。
この実証によって、廃小型家電から様々な資源を効率よく取り出し、より良い環境を実現するための第一歩が踏み出されることになります。