デジタルライフラインを実現する新たな研究開発
2024年5月より、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業」に関連した研究開発が始まります。この事業には、株式会社NTTデータ、NTTインフラネット株式会社、東日本電信電話株式会社、東京ガスネットワーク株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、株式会社EARTHBRAIN、ソフトバンク株式会社の7社が携わり、効率的なインフラ管理を目指す「インフラ管理DXシステム」の開発に取り組みます。
研究開発の背景と目的
現代のインフラ管理は、それぞれの事業者が独自に保有する設備情報に基づいて行われています。そのため、計画、工事、維持管理といった各フェーズでの作業が煩雑で、重複した作業や高額なコストが発生しています。特に、災害時には各社の情報提供の形やタイミングが統一されていないため、迅速な復旧対応が困難な状況が続いています。
本研究開発は、これらの課題を解決すべく、データ連携システムを開発し、各社が持つ設備情報を共通化することを狙いとしています。これにより、業務の自動化やリソースの最適利用が実現されることが期待されています。
研究開発内容
研究開発は主に以下の4つの内容に分かれています。
1.
インフラ管理DXシステムの開発:各インフラ管理事業者が持つ設備情報の流通を可能にし、相互参照ができるシステムを構築します。
2.
データ整備ツールの開発:共通フォーマットへの情報変換や位置情報の補正、3D都市モデルへのデータ変換を行うツールを作成します。
3.
地下インフラ情報のデータ整備:さいたま市や八王子市などの先行実装地域で、整備したデータを効率的に使用します。
4.
ユースケースの実証:システムを活用して、埋設物の照会、掘削工事のマシンガイダンス、災害時の情報共有の3つにおける効率を検証します。
研究開発期間と各社の役割
このプロジェクトの実施は2024年5月から2025年3月までの予定であり、各社の役割は以下のように分担されます。
- - NTTデータ: システムの総合開発、災害時情報共有システムの実証
- - NTTインフラネット: システムとデータ整備ツールの開発
- - NTT東日本: 通信関連データの整備
- - 東京ガスNW: ガスインフラ情報の整備
- - 東電PG: 電力インフラ情報の整備
- - EARTHBRAIN: マシンガイダンスシステムの実証
- - ソフトバンク: 情報共有システムの実証
未来への期待
新たなデジタルライフラインの形成に向けた研究開発が進む中で、それぞれの事業者が持つインフラ情報の共通化により、業務が効率化されることが期待されています。これにより、特に災害時の迅速な情報共有と復旧が実現され、地域社会の安全性向上に寄与することでしょう。
この研究開発の成果は、地域のインフラ管理の新しい形を生み出し、デジタル化の進展を通じて持続可能な社会への一助となることを願っています。