倉敷中央病院が挑戦した新しい研修医採用法
岡山県倉敷市にある公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院が、医療業界に新たなる一歩を踏み出しました。2015年7月19日、東京ビッグサイトにて、日本初かつ世界でも例を見ない「研修医トライアウト」を行い、約30名の医学生が参加しました。このユニークな実技試験は、研修医採用における新たな挑戦の一環として実施されました。
トライアウトの内容
本トライアウトでは、以下の3つの課題が与えられました。
1.
折り鶴:15㎜平方の折り紙を用いて、約5mmの折り鶴をできるだけ多く作成する。
2.
昆虫組み立て:約35mmのタマムシを13パーツに分解し、元の形に再度組み立てる。
3.
ミクロ寿司:ひと粒の米の上に、微細な刺身を載せた寿司を何貫作れるかに挑戦する。
各課題は、参加者に与えられた15分の制限時間内で行われました。参加者たちは、病院側が用意したピンセットやメス、鉗子、手袋といった道具を用いて試験に取り組みました。試験は13時と17時の2回にわたり、各回約15名が参加しました。
厳しい現実
結果として、今回のトライアウトは非常に厳しいものでした。実際に参加した医学生や、参考のために参加した研修医の言葉からも、その緊張感が伝わってきます。例えば、研修医は寿司の課題で11貫を達成したのに対し、医学生の最高記録は8貫でした。逆に、折り鶴の製作では2名の医学生が3羽を完成させましたが、研修医は完成することができませんでした。
参加者の声
トライアウトに参加した医学生たちからは、緊張感を持ちながらも貴重な体験ができたという肯定的なフィードバックが寄せられました。一人の医学生は「実際に医療の現場ではより一層の緊張が求められると思うので、この経験が大変役立つ」と語り、他の参加者も同様にユニークな試験を通じて何か貴重なものを得られたと感じている様子でした。
トライアウトの狙い
倉敷中央病院の福岡敏雄医師は、筆記試験や面接だけでは測れない重要な要素を見極めたくてトライアウトを企画したと語ります。彼は、「手先の器用さだけでなく、緊張や極限状況でも判断力や集中力を保つことができるかを見ることができた。特に学生たちが徐々に改善していく様子を見て、医師として成長する過程を感じられた」と述べています。
今後の展望
このトライアウトをもとに、8月2日および16日に本採用試験が倉敷中央病院にて行われる予定です。新しいアプローチが医療界に与えるインパクトを、今後も注視していきたいものです。
連絡先
報道関係のお問い合わせは、倉敷中央病院医師採用PR事務局(株式会社ザックス内)、担当:畑中、平野までご連絡ください。TEL: 03-6804-2931、FAX: 03-3403-1226、Mail:
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