福山通運による新たな倉庫自動化の挑戦
日本の物流業界に新たな風を吹き込む、次世代倉庫自動化ソリューションSkypod®が導入されることが決まりました。このシステムは、株式会社メニコン向けに福山通運が運営する物流センター(千葉県八千代市)に導入され、日本国内では初めての取り組みとなります。
Skypod® の革新
Skypod®は、複数の方向に自由に移動できるロボットを利用して、倉庫内の各商品をピッキングし、作業者のもとに運ぶという画期的な自動化システムです。この技術により、個人に依存した作業を減らし、保管効率や出荷速度、さらには作業の品質を大幅に向上させることが可能となります。導入されるのは、2025年2月にリニューアルされた次世代モデルであり、稼働開始は2026年の下旬を予定しています。
さらに、この次世代モデルは、従来に比べ出荷処理能力を最大50%、保管密度を約30%向上させており、オーダーの優先度や配送ルートに基づいた出荷順の最適化機能や、モジュラー構成による拡張性を兼ね備えています。これにより、物流現場での安定したオペレーションやリードタイムの短縮が期待されています。
企業間の協力と未来への展望
メニコンと福山通運は、2026年3月期の下半期にマレーシアの新工場稼働を予定しており、その物量増加に対応する形で次世代Skypod®の導入を決定しました。IHI物流産業システムやExotecもこのプロジェクトに関与し、それぞれの専門知識を持ち寄ることで、全体の統括やエンジニアリング、アフターサービスを一貫して提供します。これにより、サプライチェーン全体の最適化を図り、持続可能な物流に貢献していくとしています。
各社の期待
メニコンのサプライチェーンマネージメント事業部長の加藤氏は、Skypod®の導入により業務の効率化やサービス向上が期待されていると述べ、「コンタクトレンズの配送数が年々増加しており、物流従事者の確保が難しい中での省人化を進める必要がある」と語ります。
福山通運の執行役員である山崎氏も、次世代Skypod®を導入することで人手不足や人件費の上昇といった課題に対応できると期待を寄せています。IHI物流産業システムの関氏は「従来にないスピード・柔軟性・拡張性をもたらす」と強調し、Exotecの立脇氏は、次世代Skypod®が国内ヘルスケア用品の安定供給を支える先進的な事例となることを願っています。
メニコンの成り立ちと事業展開
メニコンは1951年に日本で初めて角膜コンタクトレンズを開発し、以来「より良い視力の提供を通じた社会貢献」を企業スローガンとしてさまざまな商品を展開しています。特に、最近では自宅での注文が主流になっているコンタクトレンズの定期配送サービスを通じて、顧客にとって不可欠なサービスを提供しており、圧倒的な会員数を誇ります。
未来の物流はどうなる?
4社が連携して導入する次世代Skypod®は、ただの省人化にとどまらず、持続可能な物流の実現や、さらに上質なサービスの提供を目指します。今後の展開に注目が集まります。