訪日観光客の安全を守る新サービス
はじめに
日本への訪問者が増加する中、観光業は急成長を遂げています。特に、2024年8月の訪日外国人宿泊者数は約1,281万人泊に達し、前年同月と比べておおよそ20.9%の増加を見せています。しかし、この需要の高まりと同時に、観光地ではマナーの問題やオーバーツーリズムが指摘されています。また、自然災害も多いため、訪日観光客の安全を確保する必要性が高まっています。
提携の背景
このような現状を受けて、アニバーサリーコンシェル株式会社は、インタセクト・コミュニケーションズ株式会社と新たに業務提携を結びました。この提携により、訪日観光客が安心して滞在できる環境を整えるための防災情報の提供サービスを開始します。
近年の調査によると、多くの国際的な旅行者は日本が「災害が多い」という印象を受けています。訪日外国人の中には、万が一の災害時にどうやって情報を得るのか悩む人も多く、その対策が求められていました。そこで、アニバーサリーコンシェルは「デジ町防災LINE」を開発し、迅速な情報取得と避難の指導が可能な仕組みを整備しました。
デジ町防災LINEの特徴
「デジ町防災LINE」は、LINE公式アカウントを用いて、訪日観光客が必要とする防災機能を集約しています。具体的には、避難場所の検索や経路案内、また安否確認機能を備えています。このサービスは通常国内向けに運営されていますが、今回の業務提携を通じて国際的なサービスに拡大することを目指します。
新しい取組み
提携の第一歩として、訪日観光客向けの防災情報提供の強化を行います。インタセクト社は中国市場に詳しく、特にWeChatミニプログラムを通じた情報発信を計画しているため、その知見を活用して多言語化を進めます。また、自治体や観光地域づくり法人や大規模商業施設とも連携を強化し、より広範な防災サービスの提供を目指します。
さらに、インタセクト社の譚玉峰代表取締役社長がアニバーサリーコンシェルの社外取締役に就任する計画もあり、今後の展開が期待されます。
未来への展望
アニバーサリーコンシェルは、地域社会と連携しながら観光支援を行っていく方針です。今回の提携を通じて、訪日観光客に安全で安心な観光体験を提供し、地域の持続可能な観光地域づくりにも貢献することを目指します。これにより、観光客と地域の安全を確保し、さらには地域経済の活性化へと繋げていくことが重要です。
調査概要
この提携に至った背景には、インタセクト社が実施した調査が影響しています。この調査は、2024年10月に中国の10都市にて行われ、訪日観光客の不安要素を明らかにしました。
まとめ
アニバーサリーコンシェルとインタセクトの提携によって、訪日観光客への支援が強化され、安全な観光地域づくりが進められます。持続可能な観光業を支えるための新たなステップとして、この「デジ町防災LINE」が重要な役割を果たすことを期待しています。