令和5年度末の固定端末系伝送路設備の設置状況を総務省が発表
固定端末系伝送路設備の設置状況
総務省は、令和5年度末(2024年3月末)における固定端末系伝送路設備の設置状況を公表しました。これは、電気通信事業報告規則に基づき、各通信事業者から報告されたデータを集計した結果です。また、このデータはNTTグループのシェアや、地域別の設置状況を含んでいます。
趣旨
総務省では、毎年度、固定端末系伝送路設備に関する設置状況を把握するため、指定された電気通信事業者に報告を求めています。この制度は、全国的な通信インフラの整備状況を評価・把握するための重要なもので、特に加入者回線の設置数に対するNTT東日本とNTT西日本のシェアを中心に集計されています。
1. 結果概要
令和5年度末の報告によると、加入者回線の設置数に対するNTT東日本・西日本のシェアは依然として高い状態にはありますが、徐々に減少傾向にあることが明らかになりました。特にメタル回線の設置数が減少しており、全体に占める割合も下降しています。具体的には、令和4年度末の70.9%から69.9%に減少しました。
1-1. メタル回線の状況
NTT東日本とNTT西日本が独占しているメタル回線のシェアについても、次のような数値が報告されています。NTT東日本は76.9%から76.2%に、NTT西日本は64.8%から63.4%にそれぞれ減少しました。こうした数値は、他の競合事業者による市場参入が影響を与えていることを示唆しています。
1-2. 都道府県別のシェア
各都道府県におけるシェアを見てみると、全ての都道府県でNTT東日本・西日本のシェアが50%を超えている状況です。しかし、奈良や三重、兵庫などでは50%台に留まっていることが見受けられました。
2. 光ファイバ回線の設置状況
次に光ファイバ回線についての設置状況が発表されています。NTTグループのシェアも少しずつ低下しており、特に電力系や地域のCATV事業者の影響が顕著だとされています。具体的には、光ファイバの設置数に対するNTTグループのシェアは73.7%から72.9%に減少しました。
2-1. NTT東日本・西日本の詳細
NTT東日本では89.0%から88.6%に、NTT西日本では59.9%から58.9%にそれぞれ減少しています。これは、競争が激化している市場の現状を映し出しています。
2-2. 都道府県別のシェア
特に関心を集めるのは、三重、奈良、滋賀といった県で、NTTグループの光ファイバのシェアが50%を下回っている点です。具体的には、三重県が36.5%、奈良県が38.5%となっています。
まとめ
総務省が発表した固定端末系伝送路設備の設置状況が示すのは、日本全体の通信インフラが確実に変化しているということです。特にNTTグループの独占的なシェアが徐々に低下していることは、新たな競合が生まれ、選択肢が増えていることの裏返しでもあります。今後の競争環境や市場の動向に注目したいところです。