IHIが取り組む人権リスク管理の強化
IHI(株式会社IHI)は、ESG(環境・社会・ガバナンス)の重要性を理解し、特に「人権の尊重」を経営の核に置いています。この度、本社部門と事業部門の社員が一堂に会し、人権に関するリスクを特定するためのワークショップを行いました。斉藤真美子執行役員人事部長も参加し、計60名の社員が活発に意見を交わしました。
ワークショップの目的と進行
今回のワークショップは、人権リスクを防止・軽減し、必要に応じた是正措置や救済の仕組み作りを目的としました。参加した社員は、製品の企画から製造、販売、使用に至るまでのフローを把握し、業務に関わる多様な関係者に生じ得る人権リスクについて議論しました。参加者の多様なバックグラウンドにより、見えなかった視点からの貴重な意見も多く寄せられました。
参加者の声
社員からは「異なる職種や専門分野の人が集まったことで、新たなリスクを認識できた」「複数の視点からリスクを考慮する重要性を再確認した」「人権の尊重は営業活動や日常業務において不可欠だ」といった前向きな感想が多く聞かれました。特に関係者との協働において、人権を尊重する姿勢が業務のパフォーマンス向上につながるという認識が強まったようです。
専門家からのアドバイス
また、今回はビジネスと人権の有識者が参加し、高リスクのテーマである『贈収賄』『気候変動と人権』『労働条件の不公正』などについても貴重なアドバイスを頂きました。これにより、各分野におけるリスクへの理解がさらに深まりました。
今後の取り組み
ワークショップで集めた情報を基に、IHIは今後「深刻度」と「発生可能性」を評価し、人権課題の優先順位を見直し、同社の人権方針に反映させる予定です。これにより、経営全体における人権リスク管理の実効性をさらに向上させていく考えです。
また、各企業とのワークショップや勉強会を通じて、産業全体での人権への取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献する方針です。これからの活動にも期待が寄せられます。
有識者プロフィール
ワークショップには有限会社エコネットワークスの樋口利紀氏も参加しました。彼はロンドン大学で国際人権法を学び、国連インターンや難民支援事業に携わった後、国際人権NGOであるアムネスティ・インターナショナルに勤務。現在はPwCコンサルティングで人権方針策定の支援を行い、2024年には合同会社継青堂を設立。多様な人権関連プロジェクトに取り組んでいる専門家です。