プラズマローゲン研究
2021-01-18 13:00:13

ホタテ由来プラズマローゲンがアルツハイマー病に有効性を示す新発見

プラズマローゲンの可能性と新たな発見



最近、一般社団法人プラズマローゲン研究会の研究チームが、ホタテ由来のプラズマローゲンについての驚くべき成果を発表しました。この研究では、プラズマローゲンがアルツハイマー病や軽度認知障害において、認知機能を有意に改善させることが臨床試験を通じて確認されました。

プラズマローゲンとアルツハイマー病



藤野武彦教授をはじめとした研究グループは、2007年からプラズマローゲンと精神神経疾患に関する研究を進めています。これまでの研究の集大成として、ホタテ由来のプラズマローゲンがアルツハイマー病改善に寄与する可能性があることが示されています。

特に、軽度認知障害(MCI)に対する効果では、178名を対象にした多施設プラセボ対照二重盲検試験によって、プラズマローゲンが記憶や認識機能を改善する統計的に有意な結果が得られました。具体的には、位置の見当識においてプラズマローゲン投与群とプラセボ群に明確な差が見られ、投与後も低下が見られなかったことが報告されています。

さらに、中等度および重度のアルツハイマー病患者に対する治療効果も確認されており、過半数の患者に改善が見られました。こうした結果は、プラズマローゲンの新たな応用可能性を示唆しています。

新たな発症仮説の提唱



これまでアルツハイマー病の発症メカニズムとして「アミロイド・カスケード仮説」が広く受け入れられてきましたが、藤野教授の研究チームは「神経炎症・プラズマローゲン仮説」を新たに提唱しています。この仮説では、神経炎症がプラズマローゲンの減少を引き起こし、それがアルツハイマー病を含む神経疾患を惹起するとの考え方に基づいています。

神経炎症とプラズマローゲンの間には密接な関係があることが示されており、これがアルツハイマー病の発症に深く関わっているとされています。特に、脳がストレスや老化、糖尿病、高血圧などの危険因子にさらされることで神経炎症が発生し、その結果プラズマローゲンが過剰に消費され、プラズマローゲンの生成能力が追いつかなくなるという悪循環が見込まれています。

こういった新しい見解により、これまでの薬剤開発の方向性にも新たなヒントが与えられる可能性があります。プラズマローゲンの改善作用を利用した療法が普及することによって、今後の神経疾患の治療に大きな変化が訪れるかもしれません。

結論



ホタテ由来のプラズマローゲンは、アルツハイマー病の新たな治療の可能性を持つ重要な成分であり、その効果が医学界において注目されています。今後の研究がますます進むことで、アルツハイマー病の理解や治療法がさらに深まることが期待されます。新たな発症仮説も興味深く、今後の研究や治療戦略に対する影響を持つことでしょう。

会社情報

会社名
一般社団法人プラズマローゲン研究会
住所
福岡市東区馬出3-1-1九州大学大学院医学研究院 加齢病態修復学講座内
電話番号

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