ECビジネス失敗の真相に迫る
通販業界におけるEC関連サービスの導入に失敗した事例が、最新の調査結果により明らかになりました。株式会社エルテックスは、2024年の「通信販売事業関与者の実態調査」を発表し、特にメール送信サービスの解約が多いことが分かりました。この調査は、通販事業者がどのようなサービスで失敗を経験したかという実態を把握するために実施されました。
調査の背景
エルテックスは2000年頃からECサイトの構築に関わり、これまでに数多くの通販ビジネスに貢献してきました。毎年実施されるこの調査は、業界の動向を把握し、サービスの質向上を図るための重要な資料となっています。2024年版では、特に事業者が導入に失敗したサービスとして、メール送信がトップに位置付けられました。
メール送信サービスの問題点
具体的には、調査にて「導入に失敗した、使えなくなった」と回答した事業者のうち、20.7%がメール送信サービスを挙げ、次いでサイト内検索(20.0%)やアンケート(19.0%)が続きました。特にメール送信については、もともと効果的であるべきサービスなのに、その運用が難しく、また成果が見えづらいことから多くの事業者が解約に至っています。
また、解約理由としては「効果が出なかった」が25.8%を占め、「利用料金が高かった」が24.2%と続いています。これらの要因は、事業者にとって大きな負担となっているようです。メール送信はその性質上、顧客とのコミュニケーション手段として不可欠ですが、効果が得られなければコスト面での見直しが迫られるのは当然のことです。
導入時の重視ポイント
また、通販事業者がECシステムを導入する際には「納期」も重視されており、年商50億円以上の事業者の14.9%がこれを選択しています。特に大規模な事業者では事業計画の厳守や上場企業の株価への影響等を考えると、納期の遵守が求められます。調査結果からは、導入や運用コストが最も重視される一方で、納期も徐々にその重要度を増していることが窺えます。
まとめ
この調査結果からは、ECビジネスにおけるメール送信サービスの運用がいかに難しいか、そしてその結果、成本対効果が悪い場合には迅速に解約へとつながることが明らかになりました。今後、通販事業者はメール送信サービスの利用を見直し、効果的なコミュニケーション手法を探る必要があると同時に、品質の高いECシステムの導入に向けて、納期や運用コストを意識した選定が求められるでしょう。エルテックスはこの調査結果をもとに、さらなるサービス改良を目指しています。