ソラミツ、パラオでブロックチェーン貯蓄国債システム実証事業開始!パプア・ニューギニアでもCBDC実証実験へ
日本のフィンテック企業であるソラミツ株式会社は、経済産業省の補助事業に採択され、パラオでブロックチェーン技術を活用した貯蓄国債システムの実証事業を開始することを発表しました。
パラオは、米国の銀行が預金として住民の資金を吸収している状況で、その資金はパラオの経済成長やインフラ整備などに利用されず、米国本土で運用されている現状です。そこでパラオ財務省は、ブロックチェーンを活用した貯蓄国債を発行することで、パラオ住民の資金を吸収し、国家財政の調達方法を多様化することで、経済成長やインフラ投資に活用したいと考えています。
ソラミツは、自社のブロックチェーン技術「Hyperledger Iroha」を活用し、パラオ政府の財務省からの要請に基づき、貯蓄国債システムとそのアプリケーションを開発し、実証事業を開始します。
ブロックチェーンを活用した貯蓄国債発行管理システムのメリット
ブロックチェーンを活用することで、以下のメリットが期待されます。
1. 偽造、改ざん、なりすましなどを防止し、セキュリティが高くなる。
2. 将来的にCBDC導入時に、スマートコントラクト等の技術を活用して、貯蓄国債の購入・売却時の資金精算がスムーズになる。
3. 貯蓄国債発行管理システムの構築コストや運営コスト、手数料などが低減できる。
パプア・ニューギニアではCBDC実証実験へ
ソラミツは、パプア・ニューギニアでも、中銀の依頼に基づき、CBDCの実証実験を行う予定です。パプア・ニューギニアでは金融包摂が大きな課題の一つであり、治安が不安定な地域も多く、強盗などの犯罪が頻発しています。そのため、デジタル技術を活用することで、強盗被害に遭った場合でも記録が残るため、回収の可能性を高め、犯罪抑止につなげることが期待されています。
大洋州島嶼国地域の共通プラットフォーム構築を目指す
ソラミツは、太平洋島嶼国はそれぞれ人口規模や経済規模が限定的で、各国が独自の金融システムを導入するには大きなコスト負担がかかることから、ブロックチェーン技術を利用した共通プラットフォームの構築を目指しています。
ソラミツのこれまでの実績
ソラミツは、これまでカンボジア国立銀行の決済システム「バコン」や、福島県会津若松市の会津大学内の学内通貨システム、インドネシアBCA銀行の本人確認システムのプロトタイプなどを開発してきました。
ソラミツの今後の展望
ソラミツは、これらの経験に基づき、最先端の金融技術をグローバルに展開することで、世界の銀行口座を保有していない人々が簡単・安全に価値を移転できる仕組みを構築し、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献することを目指しています。