ラクトフェリンの免疫調節メカニズム
森永乳業が60年以上にわたり研究を続けてきたラクトフェリンが、和歌山県立医科大学と共同で行った研究から、免疫調節における新たな役割が明らかになりました。この研究成果は、2024年12月に『International Journal of Molecular Sciences』に発表される予定です。
ラクトフェリンの取り込まれ方
まず、ラクトフェリンはプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)に取り込まれる過程が重要です。具体的には、ラクトフェリンは貪食や受容体を介してpDC内に進入します。このプロセスがどのように行われるのかを実験で調査したところ、pDCはラクトフェリンを蛍光標識で確認し、貪食によって取り込み、受容体であるヌクレオリンを介しても取り込むことが分かりました。
TLR7とIFN-αの関連
次に、ラクトフェリンがpDC内に存在するトル様受容体7(TLR7)の感受性を高めることで、IFN-αの産生を促進することが判明しました。ラクトフェリンが無い状態ではIFNシグナルは誘導されず、TLR7刺激がある状態でラクトフェリンを添加するとそのシグナルが強化されました。このことから、ラクトフェリンがpDCの活性化に重要な役割を果たすことが示されています。
広範な免疫細胞への影響
また、ラクトフェリンは自然免疫系および獲得免疫系の幅広い免疫細胞の活性化も促進します。具体的には、ミエロイド樹状細胞やナチュラルキラー細胞、キラーT細胞、ヘルパーT1細胞、B細胞などが活性化され、免疫応答が強化されることが確認されました。したがって、ラクトフェリンはウイルスに対する強力な免疫応答を調整する役割を担っていると考えられます。
ラクトフェリンの健康への寄与
研究を通じて、ラクトフェリンが涙液や唾液、鼻汁に含まれることで、ウイルスに対する免疫応答を調整し、健康維持に貢献していることが明らかとなりました。森永乳業は、今後もラクトフェリンに関する研究を進め、さらなる健康への貢献を目指していきます。ラクトフェリンの新たな知見が、さらなる製品開発や健康維持に寄与することが期待されます。
森永乳業の取り組み
森永乳業はラクトフェリンの研究や製造、食品への応用を進めており、特に多くの研究論文を発表していることが特徴です。このような取り組みを通じて、森永乳業は世界中の研究者や企業と連携し、ラクトフェリンの可能性を広げています。今後も、ラクトフェリンの健康への貢献を追求し続けていきます。