日本酒と福祉の融合
2021-04-22 18:30:01
農業と福祉が育む日本酒「出世男金の鳩」誕生の背景
日本酒「出世男金の鳩」の誕生
最近、福祉と農業が連携した画期的なプロジェクトが大阪府堺市で進行しています。その名も「出世男金の鳩」です。この日本酒は、障がい者の自立支援や地域活性化を目的とし、無農薬で栽培された酒米を使用しています。
プロジェクトの背景
「出世男金の鳩」の酒米は、就労支援施設「ヤオヨロズヤ」の利用者たちにより栽培されています。この施設では、就労の意思があっても様々な理由で従来の雇用契約を結ぶことが難しい人々が、自分のペースに合わせて働ける環境が整えられています。彼らは農業やカフェ、よろず相談事業を通じて、活発に地域社会に貢献しています。
2020年度は、新型コロナウイルスの影響を受け、イベントの中止や販売先の縮小により、就労支援事業所での販路が減少していました。そのため、利用者の工賃が減る困難な状況が続いていました。こうした中で「金の鳩」プロジェクトが始まり、農業と福祉をかけ合わせた新しい形の日本酒作りがスタートしました。
社会とのつながりを育む
田植えの時、障がいのあるメンバーたちは驚くほど丁寧に作業し、これまで自信を失っていたメンバーも、輝いた表情で力を合わせて活動していました。また、地域の子どもたちとの交流もあり、彼らは一緒に田んぼでの作業を楽しみました。この農作業を通じて、社会とつながる喜びや自信を取り戻しているのです。
障がい者の強みを生かす
「障がいのあるメンバーは最高の生産者になれる」というメッセージを伝えることが、このプロジェクトの大きな目的です。日本酒を通じて、障害のある人たちが社会と活発につながり、自分の強みを発揮できることを示しています。農福連携による自立支援の仕組みは、彼らが農業分野で活躍する機会を提供し、新たな社会デザインを生み出しています。
伝統のお酒「金の鳩」
今回のプロジェクトで生み出される銘柄「金の鳩」は、明治から昭和まで製造されていた伝説のお酒を復活させたものです。堺市の益田酒造の酒で、2016年にはその曾孫にあたる益田美穂さんが、その伝統を引き継ぐ形で百舌鳥八幡宮に奉納されました。障がい者と共に育てた無農薬米で、再びこの名誉ある酒を作ることになりました。
国際交流の未来
2021年4月17日には、「出世男金の鳩」の販売を祝うオンラインイベントを開催しました。「ソーシャルディスタン☆酒」と名付けたこのイベントでは、日本とイタリアが日本酒でつながる新たな試みが行われ、参加者たちは国際的な交流を楽しみました。農福連携の理念を広め、国内外での販路拡大を目指すこのプロジェクトは、地域の豊かさを生み出す重要な取り組みです。
商品の魅力
出世男金の鳩は、精米歩合58%の純米吟醸酒で、アルコール分は16度。堺市の無農薬山田錦を100%使用しており、さらに全国新酒鑑評会では金賞も受賞しています。この伝統的な技法で醸造されたお酒は、ただ飲むだけでなく、作り手との交流によって、より豊かな体験を提供します。
まとめ
「出世男金の鳩」は、農業と福祉の融合で生まれた新しい日本酒です。このプロジェクトは、障がい者の自立支援や地域活性化だけでなく、困難な今の時代において我々がどのように社会をより良くしていくかを考える良い機会を提供しています。次世代のために資源をつなげていくこの活動が、地域にどのような変化をもたらしていくのか、これからも注目していく必要があります。
会社情報
- 会社名
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株式会社ふくのこ
- 住所
- 大阪府堺市北区長曽根町130番地42S-cube内
- 電話番号
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