年収の壁と労働時間
2025-03-31 17:24:01

年収の壁引き上げと労働時間の新たな展望とは

年収の壁とは何か?



年収の壁という言葉は、特に学生アルバイトの間でよく使われるが、その意味は、年収が特定の金額を超えると扶養控除の対象から外れ、親の税負担が増えるという問題を指す。通常「103万円の壁」と称され、その金額を意識して働く学生が多かった。

引き上げられる年収の壁



しかし、2024年12月には、年収の壁が「103万円」から「150万円」に引き上げられることが決まった。これにより、アルバイト学生が意識する「働き控え」が緩和され、慢性的な人手不足に苦しむ企業にとっても好材料となるかもしれない。

労働時間の変化



2025年4月からの新しい税制改正によって、労働市場にはどのような影響が出るのだろうか。都内のスーパーでの例を挙げると、現在の平均時給は1,217円で、103万円に到達するためには843.6時間の労働が必要だ。そして新たに150万円に到達するためには、1232.5時間の労働が必要であるため、386.2時間の追加労働が見込まれることになる。

これを月に換算すると約32.2時間、週に換算すれば約7.5時間となり、学生はさらなるシフトを組むことが可能になる。具体的には、週に1回のフルタイムシフトに加えて、週に2回の4時間シフトを追加できる計算だ。

居残る「働き損」



ただし、年収150万円に引き上げられたにもかかわらず、社会保険上での「130万円の壁」という問題は依然として残る。この130万円を超過した場合、手取りの減少、いわゆる「働き損」が生じるため、多くの学生はこの点を念頭に置かなければならない。社会保険料が発生するため、年収130万円に到達すると手取り収入が約110万円に落ち込むことも理解しておくべきだ。

高時給で期待される変化



ここで眼を向けるべきなのは、高時給で知られるコストコだ。ここは時給1,500円という高賃金が設定されているため、130万円を越えても手取りが増えることが期待できる。全国的に見ても、コストコの時給は他の売上高と比較して大きな優位性を持っており、時給に差が出ることが予想される。

労働者のシフト



また、都内スーパーと全国のスーパーの平均時給はこの2年間で徐々に増加しているが、コストコとの時給差は依然として存在する。全国のスーパーの平均時給が1,086円としても、コストコはそれを大きく上回る。このため、より多くのアルバイト学生が高時給の職を求めることが考えられる。

保険の抜け道



また、厚労省の施策では、「年収の壁・支援強化パッケージ」が策定されており、年収が130万円を超えた場合でも扶養の範囲に留まれる取組みが進められつつある。これにより、短期間での収入増加が扶養から外れるリスクを軽減させることが期待されている。

まとめ



年収の壁の引き上げは、多くの学生に新たな就業機会を提供し、その結果企業は人手不足の問題を解決する手段を得るだろう。しかし、その一方で、「130万円の壁」に留意しなければならず、働き損を避けるために高時給の職場を求める動きが増加すると予想される。今後、制度の整備と市場の変化がどのように連動するかが注目される。


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会社情報

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株式会社フロッグ
住所
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