神石高原町立小学校が結ぶ、世界との温かなつながり
広島県の神石高原町に位置する三和小学校と油木小学校が、世界の一員としての学びを実践しています。彼らは特定非営利活動法人「なかよし学園プロジェクト」の活動に参加し、困難な状況にあるカンボジアの難民キャンプやルワンダの人々へ心を寄せるプロジェクトを進めています。この取り組みは「誰一人取り残されない世界」をテーマに掲げており、子どもたちの学びを世界に届ける新たな実践を展開しています。
「世界とつながる学びプロジェクト」とは
なかよし学園プロジェクトは、国内外の教育現場を連携させることで、探究学習を世界に通用する形に結びつける教育モデルを提案しています。「つくる(学ぶ)→届ける(支える)→現地で活用→振り返る(還ってくる)」という循環(CoRe Loop)を通じて、子どもたちが制作した教材やメッセージが実際に現地で役立てられる仕組みが構築されています。このように、子どもたちの学びが「自分事」として実感できる瞬間が生まれています。
三和小学校の取り組み
ポストカードをルワンダへ
三和小学校では、子どもたちが制作したポストカードをルワンダに届ける活動が行われました。講演会では「三和小学校の“学び”が誰かの学びを応援した!」というメッセージを伝え、児童が思いを形にする経験をしました。特に、子どもたち自身の物語としてこの取り組みを捉えることで、自分たちの行動が他者に貢献する喜びを感じることができました。
お祭りプロジェクトでの取り組み
さらに、同校では風鈴やうちわを制作する「お祭りプロジェクト」が行われ、これを戦火のために避難生活を強いられているカンボジアの難民キャンプに活用することになりました。このプロジェクトは、単なる娯楽にとどまらず、避難生活の中で失われた共同体感覚や季節感を取り戻すための手段とされました。実際に、三和小の風鈴の制作を通じて、戦争で傷ついた人々の心を癒す役割を果たしています。
油木小学校の取り組み
地域で育ったお米を支援へ
油木小学校においては、地域で収穫されたお米をカンボジアの難民への食糧支援に用いることが提案されました。講演会では「戦争で避難した難民の方々に、油木の教材を届けよう!」と呼びかけ、子どもたちが学んだことが直接的に他者の「生きる」ことに結びつく意義を認識させる素晴らしい体験となりました。食は生きるために欠かせない要素であり、避難生活の中で心を安らげる手助けにもなります。
食育授業を通じた交流
油木小学校では、カンボジアの人々と共に参加するおにぎりワークショップが開催され、炊き出しを超えた食育授業が行われました。そこで、子どもたちは炊き出しと同時に異文化理解の授業も受け取り、他者とのつながりを深める貴重な経験を持つことができました。
行動する平和への一歩
これらの取り組みを通じて、両校は一貫して「平和は遠い理念ではなく、誰もがつくれる現実」であることを伝えてきました。子どもたちは「願う平和から行動する平和へ」というメッセージを受け取り、次の行動への期待感を抱きながら学びを進めています。特に平和とは、ただの願望にとどまらず、行動に結びつけることが求められているのです。
取り組みの結果、子どもたちは「支援する/される」という枠を超えて、同時代を生きる仲間として世界を理解する力を育まれています。神石高原の子どもたちが自らの手で思いを示し、実際に現地で役立つ行動をすることで、平和教育は知識から実践に変わったのです。
平和学習は、祈りから始まりますが、それを行動の一歩へ変える道を共に歩んでいくことが必要です。このような経験を通じて、神石高原の子どもたちが次世代のグローバル人材として、誰かと手を取り合いながら世の中の課題に取り組む力を育んでいくでしょう。
まとめ
このような活動は、神石高原という土地から始まっています。広島は歴史的に平和学習が重ねられてきた場所であり、ここから新たな「行動する平和」の教育モデルが発進することには、大きな意味があります。今後も神石高原町の子どもたちが世界の課題を自らのものとして捉え、解決に向かう一歩を進めることを期待したいです。