QPS研究所、9号機「スサノオ-I」の打ち上げ計画を発表
福岡市に拠点を置く株式会社QPS研究所は、高性能な小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発を進めている企業です。このたび、同社は小型SAR衛星の9号機となる「スサノオ-I」を、米国のロケット開発企業Rocket Lab社のElectronロケットで打ち上げる計画を発表しました。2025年3月10日以降、日本時間の午前9時からの打ち上げが予定されていますが、天候によっては日程が変更される可能性があるため、最新情報は公式ブログやSNSで随時確認することが推奨されています。
打上げミッション「The Lightning God Reigns」について
今回の打上げは、QPS研究所とRocket Lab社との間で結ばれた衛星8機の打上げ契約に基づくものであり、今回の「スサノオ-I」はその記念すべき最初の機体となります。打ち上げのミッション名は「The Lightning God Reigns」と名付けられており、愛称の「スサノオ」にちなんでいます。これは、日本の神話に登場するスサノオ神をイメージしたもので、雷を象徴として地上の観測を行うことが期待されています。
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QPS-SAR衛星とは
QPS研究所が開発する「QPS-SAR」は、収納性が高く、小型でありながら大きな展開式アンテナを持っており、強い電波を発信可能です。その特性から、従来のSAR衛星に比べて20分の1の質量、100分の1のコストで高精細な画像を取得できます。現在も商用として2機を運用中で、2028年までに合計24機を展開し、最終的には36機の衛星コンステレーションを完成させる計画があるとしています。このコンステレーションにより、平均10分ごとの準リアルタイム観測データを提供することを目指しています。
QPS研究所の成り立ち
2005年に創業されたQPS研究所は、九州宇宙産業の発展を目指す企業で、九州大学から技術を受け継ぎながら、国内外での衛星開発やスペースデブリへの取り組みに積極的に関与しています。また、北部九州を中心に全国25社以上のパートナー企業に支えられ、宇宙技術の開発を推進しています。
代表取締役社長の大西俊輔氏は、本プロジェクトに関して「スサノオ-I」は新たな研究開発拠点『Q-SIP』からの初号機であると述べ、今後の打上げにも期待が高まります。彼は「我々のチームが誇れる成果を出せるよう、さらなる努力を続けていきます」と強調しました。
まとめ
QPS研究所の9号機「スサノオ-I」は、世界が注目する次世代衛星開発の一端を担っており、その打ち上げが2025年に実現する見通しです。衛星技術の進展に今後も目が離せません。QPS研究所の動向に引き続き注目していきたいと思います。