無観客での手筒花火が全国へエールを送りました
新型コロナウイルスの影響により、今年9月に予定されていた国内最大規模の手筒花火大会『炎の祭典』は残念ながら中止となりました。しかし、豊橋市はこの伝統文化を大切にしたいという強い思いから、特別な形でこの行事を実施することを決意しました。手筒花火は本来、無病息災や悪疫退散を願う神事として行われてきました。この歴史を振り返り、今こそ全国の皆さんにエールを送る必要があると感じられたからです。
手筒花火の壮大な映像を8Kで配信
今年の10月、豊橋の焰の祭典実行委員会が主催する形で、47本の手筒花火を無観客で放揚しました。特殊な機材を用いて撮影されたこのイベントは、8Kの高精細な映像として配信され、視聴者にはまるでその場にいるかのような臨場感を提供しました。特に、24本を一斉に放揚した瞬間は圧巻で、その迫力は無観客でしか実現できなかったものです。バギーに取り付けられたカメラが、炎の中を突き進む映像は、見る者を魅了しました。
こちらから視聴可能です。
巨大な「日の丸」を描き出す試み
イベントの中では、ヨウカン手筒花火を使って縦65メートル、横97メートルの巨大な日本国旗『日の丸』を表現する試みも行われました。この手筒花火の一斉放揚は、上空のドローンカメラによって撮影され、火柱による『日の丸』の映像は、視覚的なインパクトで多くの人々の心を打つものでした。
地域の伝統を大切に
手筒花火は愛知県豊橋市が発祥とされる伝統的な花火であり、地域の祭礼で数多く奉納されています。手筒を使うことで、無病息災や五穀豊穣などを祈る気持ちが込められています。製作は揚げ手自身が行い、点火後には抱えた手筒から、10メートルにも及ぶ巨大な火柱が上がります。このような多くの伝統を持参し、さらにエンターテイメントとしての要素を加えたのが『炎の祭典』です。
毎年9月、豊橋球場にて多くの観客を迎え、この文化を広めている実行委員会の取り組みが続いています。新型コロナウイルスの影響で厳しい時期でもあった今年ですが、豊橋からのエールを受け取ることで、多くの人々が希望を持って前に進むことができることを願っています。