野村マイクロ・サイエンスが開発した画期的なエンドトキシンモニター
神奈川県厚木市に本社を置く野村マイクロ・サイエンス株式会社が、業界の常識を覆す新たな技術を発表しました。その名も「エンドトキシンモニター」。このモニターは、細菌由来の毒素であるエンドトキシンを迅速かつ連続的に検出することが可能です。
エンドトキシンとは?
エンドトキシンは、主に大腸菌などのグラム陰性菌が持つ毒素で、体内に微量でも存在すると発熱など健康に深刻な影響を与えます。このため、注射剤や点滴剤の製造においては、厳格にその管理が求められます。
従来の検出方法の限界
従来、エンドトキシンの検出にはLAL試験(カブトガニ由来の試薬を使用)が使われていました。この方法では、サンプルの採取、分析には多くの時間と手間がかかります。特に、測定時間が約1時間と長く、製品製造中に異常が発生してもタイムリーな対応が難しいという問題がありました。
新しい分析方法の開発
そこで、野村マイクロ・サイエンスは上智大学との共同研究を通じて、エンドトキシンと即座に反応し光を発する非生物由来の蛍光剤を開発。これを用いた新たな流れ分析装置により、1時間に36サンプルを高速で測定できるシステムを確立しました。このプロセスは、アメリカ化学会のAnalytical Chemistry誌でも紹介されました。
期待される効果
このエンドトキシンモニターを注射用水の製造システムに組み込むことにより、製造プロセスの品質管理が飛躍的に向上します。また、手作業による分析作業が減少することで、コストと人手の大幅な削減が見込まれています。
市場の動向と将来的な展望
全世界で注射用水製造システムの需要が高まる中、同社は新規システムだけでなく、既存のシステムにもエンドトキシンモニターを導入し、毒素管理の強化を目指しています。そのターゲット価格は3,000万円(税抜き)に設定され、今後の技術進展によってさらなる改良が進むと予想されています。
この新しい技術は、注射用水市場において品質保証の新たなスタンダードとなる可能性があります。エンドトキシンモニターの導入が進むことで、人々の健康を守るための信頼性が向上することでしょう。
お問合せ
この技術に関する詳細は、野村マイクロ・サイエンスの営業本部(国内担当)箔本恵一までご連絡ください。電話番号は046-228-3946、公式サイトのお問合せフォームでも受付中です。