未来の感染症対応
2022-10-06 10:00:01
感染症対応シティーに向けた未来の都市設計を考えるシンポジウムレポート
Webシンポジウム「感染症対応シティー:未来の姿は?」の開催
2022年9月13日にオンラインで行われたWebシンポジウム「感染症対応シティー:未来の姿は?」は、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応を考える貴重な機会となりました。主催は九州医療センターで、医療や介護施設の職員および行政担当者が対象です。
シンポジウムの目的
新型コロナウイルスがもたらした試練を経て、今後のパンデミックに備えた都市のあり方が問われています。特に、感染症や災害に強い医療機関や介護施設にどう変革が求められるのか、またそれに基づいてどのような街を築く必要があるのかが重要なテーマです。
プログラム内容
このシンポジウムは、以下のテーマで進行されました:
1. 医療・介護・福祉施設の未来
- 臨時医療施設の役割と課題
- 近未来病院のデザイン
- 介護・福祉施設の必要な対策
2. 施設と街の設計
- 強靭な医療・介護施設の設計
3. 感染症対応シティーのビジョン
- 国際都市福岡を目指す
医療施設の設計と運営
特に印象的だったのは、国立病院機構の岡田千春氏による臨時医療施設の実績についての発表でした。彼は、短期的対応としての臨時医療施設のメリットとデメリットを詳述し、長期的な医療対策の重要性を訴えました。加え、福岡大学病院の藤田昌樹氏は、パンデミックに対応した新病院のデザインについて言及し、患者の安全を確保するための設計思想を紹介しました。
介護・福祉施設への視線
福岡市保健医療局の衣笠有紀氏は、特に高齢者介護施設で感染症へのリスクが高まることを指摘し、対策の強化が必要であると強調しました。高齢者は、感染症にかかると重篤になりやすく、施設運営の見直しが急務です。
街づくりと経済活動の両立
福岡市経済観光文化局の吉田宏幸氏は、感染症に強い国際都市としての福岡市の取り組みを説明しました。例えば、老朽化したビルの再開発やオフィス環境の再設計が進められており、これにより感染症対策と経済活動の両立を図るとしていました。
総合討論と今後の課題
討論では、今回のパンデミックを受け、今後の医療・介護施設に求められる要件についても議論されました。特に、「入れない・広めない・つぶさない」というアプローチが重要であり、柔軟性を持つ都市設計の必要性が再認識されました。
まとめ
今回のシンポジウムを通じて見えてきたのは、単に病院や施設を個別に設計するだけでなく、都市全体のトータルデザインが求められるということです。今後も、新たな危機を見込んだ都市づくりや医療計画に関する議論は続けるべきであり、様々な知見を集める場を設けることが重要です。
会社情報
- 会社名
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独立行政法人国立病院機構九州医療センター
- 住所
- 福岡県福岡市中央区地行浜1丁目8-1
- 電話番号
-
092-852-0700