新たに生まれる相続手続きのサポート
日本の少子高齢化が進む中、相続や死亡に関する手続きはますます重要な課題となっています。2023年には、日本国内で約156万人が亡くなり、今後この数字は増えることが予想されています。死亡者が多くなる一方で、遺族にはそれに伴う手続きが膨大に待ち受けています。どの手続きをどのように行うかを一から理解するのは容易ではなく、多大なストレスがかかります。
この状況を改善するために、合同会社ウェブトラと株式会社みなと相続が新たに連携を発表しました。両社は、それぞれの提供する「素人相続」と「AI相続」といったサービスを融合させることで、遺族の負担を軽減し、スムーズな手続きを実現します。
「素人相続」とは?
『素人相続』は、ウェブベースで動作するサービスで、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、家族の状況に応じた相続手続きのリストを自動生成します。これにより、遺族は自分たちに必要な手続きや場所、必要な書類や期限を一目で把握できるのです。手続きの可視化は、専門家に依頼すべきかどうかの判断を助けるだけでなく、無駄な支出を抑える手助けもします。
特に、金融機関などの代行サービスの相場と比較すると、「素人相続」を利用することで得られる費用面でのメリットが際立っています。
「AI相続」の魅力
一方、株式会社みなと相続が提供する『AI相続』は、相続税申告書を簡単に作成できるクラウドベースのソフトです。特別な知識がなくても、必要事項を入力することで、すぐに申告書を生成できます。作成したデータはクラウドで管理され、共有も簡単です。提出用の申告書もそのまま印刷可能なので、スムーズに手続きを進められます。利用者は2020年のサービス開始以来、15,000人を超え、法改正にも柔軟に対応しています。
提携の背景
今回の提携に至った背景には、両社の代表者それぞれの思いがあります。Webtraの蟹江氏は、『素人相続』の開発が自身の家族の経験から始まったことを説明し、遺族がどのような手続きが必要か即座に理解できることの重要性を強調しました。無駄な出費を減らし、必要な税務申告を自力で行えることが、遺族の経済的な負担を軽減することにつながると信じています。
一方、みなと相続の弥田氏も、相続手続きが家族にとってどれだけ大切で難しいかを理解し、家族が本来向き合うべき故人との思い出を大切にするために、煩雑な事務処理を簡単にすることの意義を述べています。相続に関する手続きは確かに複雑ですが、家族が親らしい生き方を忘れないようにするための取り組みでもあります。
これからの展望
今後、両社はこの連携を通じて、多死社会におけるましてや遺族が抱える負担を一層軽減し、家族が新たな生活へと前進できるようサポートを行っていくことを目指しています。相続手続きの簡素化だけでなく、遺族の心の安定にも寄与するこの取り組みは、多くの人々にとって必ずや価値のあるものでしょう。