廃棄予定の輪島塗を再活用する新たな挑戦
能登半島が抱える厳しい現実が、想像力豊かなプロジェクトを生み出しています。能登では令和6年の能登半島地震による影響で、多くの建物が破損し、その片付けが進められています。この解体作業の中で、数多くの輪島塗の漆器が廃棄されています。この貴重な資源をどうにか活用できないかと考える中、『能登の古民家宿 TOGISO』が立ち上がりました。
伝統工芸の復活と再生
羽咋郡志賀町に位置する『能登の古民家宿 TOGISO』が企画するこのプロジェクトでは、廃棄予定の古い輪島塗の漆器を使用してランプシェードを商品化するという新たな取り組みが始まっています。蔵に保存されていた約100年前の輪島塗は、職人の手によって仕上げられた逸品であり、現在では入手困難な国産漆が用いられています。
このプロジェクトは2024年8月31日まで、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」を通じて支援を募っています。資金を集めることで、製品化に向けたプロトタイプの製作を進める計画です。
輪島塗の魅力をランプシェードで表現
商品化第一弾となるのは、輪島塗の大平椀を基にしたランプシェードです。デザインには真鍮の削り出しを使用し、灯具のデザインには愛知県の金属加工会社、進興金属工業株式会社が協力しています。
設計を担当した松浦 潤氏は、真鍮を用いた灯具が輪島塗の持つ美しさを引き立てるよう意識したデザインを提案しました。大平椀の曲線的な美しさを生かした意匠は、裏側から真鍮の光を映し出し、独特な雰囲気を醸し出します。
技術と伝統の融合
更に、輪島塗の独特な表面処理のためには、特殊な技術が求められます。塗装を傷めないように行われる穴あけ作業は、木漆工をきの田中俊也氏が行います。この手作業の工程もまた、伝統的な技術を守りながら新たな活用法を模索しています。
プロジェクトの助けを求めて
このプロジェクトは、廃棄になるはずの資源を再活用し、より良い未来に向けた一歩を踏み出すものです。リターンには、輪島塗ランプシェードセット(電球・ソケット・コード付き)などが用意されています。価格は15,000円で、商品のサイズは約20cm x 15cm。なお、古い漆器を使用しているため、外観に多少の汚れや傷があることがあります。
さあ、一緒に能登を応援しよう
能登半島の魅力を感じることができる古民家宿『TOGISO』。築80年のこの宿は、海に近く、周囲に自然が広がっています。カヤックや素潜り、夕日や星空を楽しむことができる素晴らしい環境です。地元の資源を生かしつつ、温かみのある宿で、特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
所在地: 石川県羽咋郡志賀町赤崎ロ58-1
公式サイト:
能登の古民家宿 TOGISO
Instagram:
noto_togiso