量子コンピュータの脅威を防ぐ新サービス開始の全貌
株式会社AI Forwardが、量子コンピュータに起因する暗号解読のリスクに応じた新たなサービスを発表しました。有志の提携により実現した『耐量子暗号・移行支援サービス』は、将来的な量子コンピュータの脅威から企業の重要なデータを守ることを目的としています。このサービスは2026年1月28日から提供が開始される予定です。
なぜ今、耐量子暗号が必要なのか?
昨今、地政学的緊張が増す中で、特にデータの争奪戦が繰り広げられています。特に注目すべきは「今盗み、後で解読する」という攻撃手法です。これは、攻撃者が現在は解読不能な情報を前もって盗み、その後量子コンピュータが実用化された際にこれらのデータを解読するというものです。データが一度流出すれば、将来的に暗号を強化しても無意味であり、そこに危機感が漂っています。
内閣府やNISC(内閣サイバーセキュリティセンター)も、早期対応の重要性を認識し、量子セキュリティ戦略を推進しています。この背景を受け、AI Forward社は日本企業に対して新たなセキュリティ基準を提示し、重要資産を守るための準備を整えています。
サービスの具体的な内容
この『耐量子暗号・移行支援サービス』は、いくつかの要素を含んでいます。まず第一に、Webサイトやアプリの耐量子移行を行い、認証マークを発行します。これにより、信頼性を可視化し、将来的な改修コストの回避を実現します。導入費用は15万円(税別)で、月々の保守費用は2万円(税別)です。
次に、次世代VPNやリモートアクセスの環境も耐量子移行が可能で、従来の通信路を安全なものに再構築します。テレワーク環境での盗聴リスクを排除するための施策も含まれます。また、メール署名の耐量子化,企業内の暗号資産の点検とコンサルティングも行います。
代表者のコメント
日本量子コンピューティング協会の高野秀隆代表理事は、「量子コンピュータの社会実装を見越し、セキュリティ面で後追いは許されない」と述べ、AI Forward社との提携によって、基準を明確化し企業が行動する環境を整えたことを強調しています。
一方、AI Forwardの寺園代表取締役は、「量子コンピュータによる脅威は単なる未来の話ではなく、今現在流れているデータに対しての現実的なリスクです」と警鐘を鳴らしました。彼は、企業が国際社会から信頼を得られるよう、今回は強固な防衛線を構築することが目標であると語っています。
技術面での配慮
AI ForwardのCTO、末永陽士は、技術の融合が最も重要だと強調しています。従来のシステムに影響を及ぼさないかつ、最新の耐量子アルゴリズムをハイブリッド方式で実装することで、実用性や安全性を確保するとしています。システムを無理なく移行するための具体的な方法を提供することが、現段階での重要な役割であると述べました。
今後の見通し
AI Forwardの取り組みがより多くの企業に広がり、日本全体でのセキュリティ技術の向上につながることを期待しています。量子の未来に向けたこの一歩は、デジタル資産を守るための重要な防衛策と言えるでしょう。