スポーツ界におけるハラスメント解消に向けた新たな動き
兵庫県神戸市、2024年3月——新たに設立された一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」は、ハラスメントのないスポーツ環境を目指すことを宣言しました。本協会の設立は、過去の悲劇的な事件を受けて、さらなるハラスメント防止に向けた活動が求められる中で生まれました。
設立の背景と意義
2012年に起こった高校生の自死事件以降、スポーツ界は「暴力行為根絶宣言」を採択し、以降ハラスメント防止のための活動を続けてきました。しかし、導入から10年が経っても未だハラスメントの問題は大きく、環境改善の土壌が整えられていないという現実があります。「スポーツが原因で笑顔が生まれるべきなのに、どうして人々が苦しむのか」と考えるようになったメンバーは、自ら行動を起こし、この協会を設立しました。
中心的価値と理念
協会が大切にするのは「人権の尊重」です。これを実現するためには、以下の三つの心がまえを掲げています。
1.
「裁かない」: 加害者を裁くのではなく、行為や構造に目を向けるアプローチを取ります。
2.
「誰もが被害者にも加害者にもなりうる」: それぞれの立場を理解し、ハラスメントという行為を根本から改善することが目標です。
3.
「居場所になりたい」: スポーツハラスメントに悩む全ての人に寄り添い、安心できる場所を提供することを目指しています。
具体的な取り組み
スポーツハラスメント検定
協会は「スポーツハラスメント検定」を行い、参加者にスポーツハラスメントへの理解を深める機会を提供します。検定は初級から上級まで設けられ、各レベルで人権意識や専門的知識が身に付きます。初級の合格者には更に「セーフガーディング検定」への受験資格も与えられ、子供たちの保護に関する仕組みの理解を深められます。
講演・セミナー
加えて、協会は理事による講演やセミナーを通じて啓発活動を続けていく方針です。これにより、人権を尊重したスポーツ文化の形成を実現します。
今後の展望
協会は認定講師事業や、スポーツ事業の評価・格付けを行う認定組織事業も計画しており、ハラスメント防止という重要なテーマに対して幅広いアプローチを試みます。合わせて、専門家との連携による被害者救済も視野に入れています。
理事とアドバイザーの陣容
代表理事に法学者の谷口真由美氏、他にも多彩な経歴を持つ理事陣が活動を支えています。また、スポーツ界で影響力のあるアドバイザーも参画し、協会の取り組みを後押ししています。
今回の取り組みは、スポーツ環境を整えるための新たな一歩として大きな期待が寄せられています。協会は「ハラスメントがないスポーツ界実現の日」を夢見て、活動を続けることで解散の時を迎えたいと願っています。今後、協会が示す取り組みに注目が集まります。
協会の公式サイトは
こちらで、最新の情報や活動内容が随時更新されています。