東京エスコン、袋井の自動化植物工場が2025年度グッドデザイン賞を受賞

自動化植物工場『テクノファーム袋井』が受賞

株式会社エスコンと中部電力が手掛ける自動化植物工場『テクノファーム袋井』が、2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。当施設は、農業分野のさまざまな課題を解決し、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。特に、食の安定供給は、農業の現代的なニーズとして急成長しており、これを根本からサポートする革新的な技術を駆使しています。

無人化の最新技術

『テクノファーム袋井』は、世界最大級の完全人工光型植物工場です。ここでは、1日あたり約10トンのレタスを生産可能で、最新の自動化栽培技術、環境制御技術、IoT/AI技術を組み合わせ、農薬を使うことなく安全で新鮮なレタスを栽培しています。これにより、消費者の多様なニーズに応えると同時に、持続可能性を追求しています。

特筆すべきは、グッドデザイン賞の取得が8年連続であることです。企業の持続的成長と持続可能な社会の実現に向け、常に新しい技術とアイデアを取り入れています。

環境への配慮

『テクノファーム袋井』では、クリーンエネルギーを積極的に使用し、CO2を利用した栽培過程にも取り組んでいます。これらの取り組みは、サステナブルな農業の新デザインとして、高い評価を得ています。施設の内外に渡るエコロジカルなデザインも、この工場の大きな特徴です。

エントランス見学ホール

見学エリアのデザイン

見学エリアは、未来的かつクリーンな印象を与えるようにデザインされています。内装はホワイトを基調とし、レタスの持つ柔らかさを表現するパイプの装飾が施されており、”無機質”な工場の印象を和らげています。

また、限定された公開スペースでは小窓越しに生産エリアを覗く形になっており、壁面には実際のレタスのサイズに合わせたグラフィックが描かれています。これにより、見学者は工場内部の様子や、どのようにレタスが生産されているのかを直感的に理解することができます。

特に子供たちの興味を引く工夫もされています。階段の壁面にはレタスをテーマにしたクイズが掲示され、知識を深めながら楽しめる仕組みが整っています。これにより、親子での来場を促進し、教育的な要素も持たせています。

見学通路

審査員のコメント

この植物工場は単なる生産の場を超え、未来の農業を体験できる場所として設計されています。特許による制約を克服するために、グラフィックやアニメーションを用いて工夫を凝らし、見学者が直感的に理解できるようになっています。精緻なデザインと親しみやすい体験から、地域とのつながりも大切にし、さらなる発展が期待される農業の未来像を作り出しています。