降水粒子が気候に影響
2024-06-28 11:24:23

岡山大学、降水粒子の放射効果を全球規模で解明!気候変動予測の精度向上に期待

降水粒子の放射効果が気候変動予測に貢献



岡山大学は、雨や雪といった降水粒子が地球のエネルギー収支を変調させる効果に着目し、気温や降水量への全球的・地域的な影響を解明しました。従来、気候モデルでは降水粒子は放射に対して“透明”なものとして扱われてきましたが、岡山大学が開発した世界最高水準の降水微物理スキーム「CHIMERRA」を用いることで、降水粒子が北極域の温室効果に大きく貢献することが明らかになりました。

北極温暖化の過小評価バイアス改善に期待



特に北極域では、降水粒子の放射効果が顕著に現れ、従来の気候モデルに見られる北極温暖化の過小評価バイアスを改善する可能性を示唆しています。北極気候は日本を含む中緯度の異常気象にも影響するため、この研究成果は中・長期の気候変動予測の精度向上に大きく貢献すると期待されています。

気候モデルの高度化による高精度予測の実現へ



研究を進めた道端拓朗准教授は、「気候変動予測の最大の不確実要素の一つである雲・降水過程を大幅に高度化したことで、降水粒子の放射効果を定量化することができました。今後も気候モデルの物理過程を高度化し、日本発の高精度な気候変動予測・環境変動予測の実現に尽力していきたい」と語っています。

研究の背景



雲や大気中の微粒子は、太陽からの放射エネルギーを反射したり吸収したりすることで、地球のエネルギー収支に影響を与えています。しかし、降水粒子の放射効果については、その複雑さからこれまでほとんど研究されていませんでした。

研究成果の概要



道端准教授は、降水粒子の放射効果を詳細に考慮した気候モデルシミュレーションを実施。その結果、降水粒子は地球のエネルギー収支に大きな影響を与え、特に北極域では温室効果を高める役割を果たしていることが明らかになりました。

今後の展望



今回の研究成果は、気候変動予測の精度向上に大きく貢献するだけでなく、北極域の環境変化や、それによる中緯度地域への影響をより深く理解する上で重要な一歩となります。今後、さらに研究を進め、より正確な気候変動予測モデルの開発に貢献していくことが期待されます。


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