学生実験からの発見
2024-12-12 14:11:29

学生の実験から誕生した新しい超伝導体の発見が科学界を驚かす

新たな超伝導体の発見



東京都立大学の研究チームが新しい超伝導体Fe1-xNixZr2を発見し、科学界に新たなビジョンを示しました。この発見は、学生実験からスタートし、専門的な研究に発展したものです。チームを率いるのは大学院生の島田竜之介氏を中心に、山下愛智助教や水口佳一准教授などの専門家たちです。

研究の背景と重要性



超伝導は、物質の電気抵抗がゼロになる興味深い現象で、技術や産業の革新に貢献する可能性があります。特に、超伝導磁石やケーブルなど、多岐にわたる応用が期待されています。一般的な超伝導体は非常に低温で動作する必要があり、主に4K以下での利用が主流です。しかし、最近では液体窒素温度(77K)で機能する高温超伝導体の研究が進んでいます。

本研究では遷移金属ジルコナイドという新しい材料に着目し、FeZr2とNiZr2という二つの物質を合成して新たにFe1-xNixZr2を作り出しました。従来の物質では超伝導が観測されていなかったため、研究チームは特異な物性を持つことに期待を寄せました。

緻密な実験と成果



研究チームは、アーク溶解炉を使用して粉末状の試料を作成し、X線回折を通じて結晶構造を調査しました。その結果、NiがFeと固溶して新たな結晶構造を形成していることが確認され、成分の比率により超伝導特性が変化することが分かりました。

特に、タイトな磁化測定を行った結果、Niの置換によって反磁性が増し、超伝導が現れることが示されました。最高の超伝導転移温度は2.8Kで確認され、これは研究の意義を強調する重要な結果です。また、NiZr2の磁気近傍での非従来型超伝導の可能性も示唆されています。

今後の展望



研究の成果は、他の金属元素を基にした新たな超伝導体の合成に繋がる可能性もあります。特に、高温超伝導に関する新しい理解を促進し、更なる科学研究へのヒントを与えるでしょう。今後は、磁性体の研究や超伝導特性に関するアイデアを深め、転移温度の向上を図る予定です。

この発見は、学生の自由な発想が生み出した結果であり、さらなる未発見の超伝導体が多く存在することを示唆します。今後の研究がどのように進展するか、目が離せません。

研究の意義



従来の超伝導研究から派生したこの新しい発見は、特定の条件下で電気抵抗が消失する実験的証拠を提供しています。研究の結果は、学術誌「Journal of Alloys and Compounds」に発表され、国際的な注目を集めています。超伝導のメカニズムがさらに理解されることで、新しい技術の地平線が広がることが期待されます。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
東京都公立大学法人
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。