調査概要
このたび、弁護士ドットコムが行った実態調査によって、インターネットおよびSNS上の誹謗中傷がいかに深刻な問題であるかが明らかになりました。調査は2024年12月11日から25日にかけて、弁護士ドットコムの一般会員1,329名を対象にウェブアンケート形式で実施されました。
背景
近年、特にSNSの普及に伴い、誹謗中傷の事例が急増しており、社会問題としての認識が高まっています。様々な法規制の整備が進められていますが、実際の被害の実態を把握し、効果的な対策を講じることが不可欠です。今回の調査はその一環として行われました。
調査結果のハイライト
調査結果の中で最も注目すべきは、回答者の約3割にあたる29.8%が「ネット・SNS上で誹謗中傷の被害を受けたことがある」と回答した点です。これは、決して少なくない数の人々が、日常的にこのような問題に直面していることを示唆しています。
具体的な被害内容
誹謗中傷の具体的な内容についても調査が行われました。その結果、「容姿や性格、人格に関する悪口」が66.9%で最も多く、次いで「ウソの情報を流された」が51.3%、そして「個人情報をさらされた」が28.3%と続きました。特に個人情報の流出は、深刻なプライバシーの侵害として被害者の心に深い傷を残します。
誹謗中傷の加害者
加害者の特定に関する質問では、「面識のない第三者」が約40.7%を占め、最も多くの被害をもたらしていることが分かりました。一方、約17.9%は「友人や知人」からの誹謗中傷を経験しています。ここからは、SNSの匿名性が及ぼす影響と、その結果としての人間関係の複雑さも感じられます。
被害の目撃と対応
さらに、77.6%の人が「誹謗中傷と思われる投稿を見たことがある」と回答し、その中の約3割が「SNSの運営に通報した」としています。しかしながら、63.9%は何らかのアクションを起こさなかったことも示され、これには社会的な視点からのさらなるアプローチが求められます。
結論
この調査結果から見えるのは、ネット上の誹謗中傷が身近な問題であること、そしてその影響が広範囲にわたることです。被害に遭った人々がどのようにすれば適切に対応できるのか、そのためのサポート体制の構築が、今後の課題となります。社会全体でこの問題に立ち向かう必要性が高まっていることを痛感します。
プロフェッショナルテック総研について
弁護士ドットコムが展開するプロフェッショナルテック総研は、様々な専門家が持つ知識を活かして社会課題の解決に取り組む研究機関です。今後もこのような調査を通じて、ネット社会の改善に貢献していくことを目指します。