オンラインシンポジウムで孤立を考察
2020-10-30 11:00:05

オンラインシンポジウムで探る見えない孤立の課題と支援の現在

オンラインシンポジウムで探る見えない孤立の課題と支援の現在



2020年11月7日に開催された「休眠預金等資金活用事業オンラインシンポジウム」は、孤立する人々を支援するさまざまな取り組みについての貴重な機会となりました。このシンポジウムでは、福祉とアートを通じた施策や、行政施策が引き起こす新たな孤立の実情、オンラインを活用した支援の実践などが紹介されました。

セッション1: 見えない孤立を掘り起こす


最初のセッションでは、孤立している人を見つけ出すことの難しさに焦点が当てられました。登壇したのは、一般社団法人KYOTOGRAPHIEと、わをんソーシャルサポートシステム株式会社です。KYOTOGRAPHIEでは、視覚障害者や独居高齢者に焦点を当てた国際写真展を通じ、これらの人々の存在を広く知ってもらう活動をしています。一方で、わをんソーシャルサポートシステムは、支援が必要な家庭への戸別訪問を行い、信頼関係を築くことで、支援が必要な家族の生活や精神的な安定を図っています。

セッション2: 行政施策が引き起こしてしまう孤立


続くセッションでは、行政の施策が逆に孤立を招くケースについて議論がなされました。滋賀県のimmi labでは、低所得層の外国人労働者が日本の医療にアクセスする際の困難を掘り起こし、言語や文化的な壁を乗り越える方策を模索しています。また、お産&子育てを支える会は、今後ハイリスクの妊産婦が病院とのコミュニケーション不足から孤立することを懸念し、サポートの重要性を訴えました。

セッション3: 「活きる」ための支援


3つ目のセッションでは、現行の福祉制度がもたらす支援の形について再考されました。若年認知症を支援する一般社団法人SPSラボでは、社会的な壁に直面する若者の支援が中心に語られ、若者が自らの困難を解決する機会を提供する取り組みが紹介されました。特に、一般社団法人Team Norishiroは、孤立した人々に就労の機会を与えることで、地域社会の中での役割を再認識させる活動を進めています。

セッション4: オンライン・アウトリーチの新たな形


最後のセッションでは、オンラインを利用したアウトリーチ活動の実情が報告されました。特定非営利活動法人釜ヶ崎支援機構は、ホームレスや就労困難者へのオンラインサポートを展開し、必要な情報提供を行っています。また、こどもソーシャルワークセンターでは、孤立している若者を支援するため、同じ経験を持つ若者によるアウトリーチを行い、実効性のある支援を目指しています。

信頼資本財団の役割


このシンポジウムを主催した信頼資本財団は、社会問題を解決しようとする事業を支援することを目的として設立されました。助成金や無利子貸付を提供し、新たな社会事業家を育てる取り組みが行われています。彼らの活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けた道筋が見えてきました。

このシンポジウムを通じて、孤立のリアルな現状と、それに挑む多くの団体の取り組みが明らかになり、今後の支援活動の方向性を示す重要な場となりました。

会社情報

会社名
公益財団法人信頼資本財団
住所
京都市上京区室町通丸太町上る大門町253風伝館
電話番号
075-275-1330

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